外伝3 ページ45
引越し当日、遂に今までお世話になったビルともおさらばだ。あーさんは満足そうに微笑みながら部屋を見ていた。
新しい洋館に着いたら、そこには非番であろう土方さんの姿が。
あーさんと俺は土方さんの方へと向かった。
「やあ土方さん!」
「お久しぶりです」
「おう。どうだ、気に入ったか?」
「勿論だよ!私の趣味をここまで知っているとは……ストーカーかと疑ったくらいだ!」
「明らかに褒めてねェな」
「俺からもお礼を言わせてください、今回こうなったのは俺が原因でもありますし……ありがとうございます」
「気にすんな」
流石は土方さん、変わらずクールだ。俺より8、9cmも低いというのに、とてもイケメンである。いや、土方さんくらいが一番格好良い身長か。
あーさんはすぐさま中に入って行き、リビングのソファで寛ぐ。
「あーさん、引越しの荷物避けてまずは寝る所を確保しますよ」
「大丈夫だよ、ここは広いからね。荷物と言っても、日用品や資料、本くらいだろう」
「まあそれもそうかも知れませんが、トラベラーの部屋とあーさんの部屋は荷物だらけですよ」
「今日は斗真君の部屋で寝るよ」
「またそうやってからかって、あーさんは敷布団敷いて下さい」
「夫婦かお前ら」
どんだけ仲が縮まってんだよ、と土方さんがつっこむ。そう言ってくれると、俺も嬉しい。
まあ確かにここ数ヶ月しか一緒にいないが、あーさんの下着を触れるくらいには仲が縮まっている。ただ単に俺が慣れただけである。あーさんはそこのところを全く気にしないので逆に恥ずかしがっていた方が可笑しいと気付いた。
「そう言えば、土方さんはなんでトラベラーの事知ってるんですか?」
「彼奴が初めて頼ったのが俺だっただけだ」
「へぇ……何もしてませんよね」
「真選組という言葉で閃いたものでね、中に入ろうとした時に土方さんが来てそのまま泣きついたんだよ私が」
「へぇ……」
「なんだその目は、だからなんもしてねぇっつってんだろ」
「そしたら土方さんが数日間部屋に泊めてくれてね、暫くして前の所に住み始めたのさ」
「うわぁ……」
「うわぁじゃねェよ!!」
あからさまに引いてんじゃねぇ!とまさに鬼のような面相をして俺の方に迫ってくる。さすが鬼の副長だ。
と、まあこんな具合でぬるりと引越しが完了した。時期的にもうすぐ来るであろうトラベラーに向けて、俺とあーさんはまた資料や本を読み尽くす。
また平凡な毎日がやってきた。
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御子柴(プロフ) - 菜々美さん» 確かに、トリップ物で沢山の人が出てくる小説は少ないですかね……?読んでくださりありがとうございます、これからもよろしくお願い致します(´∇`) (2019年10月23日 10時) (レス) id: 4466855303 (このIDを非表示/違反報告)
菜々美 - こんな感じの小説は、読んだのが初めてだけど、とても面白く見させてもらってます! (2019年10月23日 2時) (レス) id: 179628e6fd (このIDを非表示/違反報告)
御子柴(プロフ) - グミさん» そう言ってくださるとモチベーション上がります……ありがとうございます!あーさんは憧れの存在です、更新は時折疎かになる事もあるとは思いますが、今後ともよろしくお願いします!! (2019年6月25日 22時) (レス) id: 4466855303 (このIDを非表示/違反報告)
グミ(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます。思わず引き込まれるような筆調と面白い内容で、私も1人の作者として尊敬しています。私あーさんのキャラや性格好きなので、これからも頑張ってください! (2019年6月25日 19時) (レス) id: 01f2b963c9 (このIDを非表示/違反報告)
御子柴(プロフ) - (名前)さん» いえいえ(´∇`)ミツバさんお元気だと誰もが気になりますよね笑 この作品には第三者目線がありません、それを踏まえて今後読んでくださると嬉しいです!これからもよろしくお願い致します!! (2019年5月16日 10時) (レス) id: 4466855303 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:御子柴 | 作成日時:2019年5月1日 0時