タイムトラベラー【銀魂】

外伝2 ページ44

「素晴らしい、本当に素晴らしい。これならトラベラーも喜ぶだろう、少しでも恐怖を無くしてもらいたいからね。土方さんが怖いよ」

「二十四回目です、もう割って十二でいいですよね」

「構わない」

「いや許可もいりません」

「ここなら、最初の場所から歩いてきて……1時間かからない程度か」

「ですね、……あのあーさん、訊きたいんですけど、ここに来てから全員がこの方向に来るとは限らないんじゃないですか？」

「まあその可能性はあるが……あの土手の道、裏側は山だから不安定な精神が未知で恐怖な山に行くとは思えない。だから大体の人は自然とこちら側へ来る」



成程、確かにそうだ。あーさんはこういうところでも頭が回る、多分江戸に建てたのは何不自由なく暮らせるからだろう。最初の場所だと、何かと使い勝手も悪い。

江戸の町の郊外で、目の前の道があの最初の場所の道に繋がっているので、前よりは見つけやすくなっているはず。勿論昭和平成という看板も付けて。



「外観もとても良い、レトロな洋館……とてもオシャレだ。土方さんが怖いよ」

「もう言いたくないですが無視できません、二十五回目です」

「今月末には彼処に住むんだよ？業者の人も言ってたけど随分と金かけてるみたいなんだ、土方さんが怖いよ」

「割って十三回目です」

「しかもローン組んでないんだってさ！土方さんなんと一括！土方さんが怖いよ！」

「二十七回目です」



確かに凄い、土方さんはローン組まず買っただなんて金持ちすぎる。まあ真選組の副長だし、金持ってて当たり前なのかもしれない。

だが、あーさんと俺、トラベラー達の為だけにここまでしてくれるとは……。生活費だって土方さん持ちだとあーさんから聞いている。土方さんが怖い。



「でも格好良いですよね土方さん、俺もあんな風になりたいです」

「斗真君は斗真君のままでいいさ、斗真君の良さを分かってくれる人がいずれ現れるよ」

「あーさんは分からないんですか？」

「勿論分かるさ、敬語を外さないし、何より私の事を一番理解してくれているからね。良い相棒を持ったものだ」



俺があーさんの一番の理解者か……、そうだったら嬉しいな。


そんなこんなで、新しい家見学は終了した。今住んでいる所からは歩いて15分くらい、トラベラーが歩いてくる道のりも少し減る。

それに、ここなら天人を説明もなしに先に目撃してしまう事は少ないだろう。トラベラーには危険な目には合わせられない。

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