3-15 10代男性 完 ページ42
それからというもの、俺とあーさんは大忙しだった。まず俺の服一式、正式に相棒……弟子と言った方が良いかもしれないが、あーさんの知り合いに挨拶をしに行ったり……。それに、新しく家が出来るので少しずつ引越しの準備も始めた。
そして、そうやってあーさんと日常を過ごしてきて分かった事がある。
あーさんはかなり自立能力が欠けている。長けてるのではない、欠けている。
俺という存在が出来てからだろうが、随分と時間にルーズになった。朝だけはきっちりしているが、洗濯は俺がやるし、掃除も俺がやる。初めはあーさんの下着なんて恥ずかしくて見る気にもならなかったが今では慣れすぎたのかあーさんが風呂上がりに下着でうろちょろするのも慣れたものだ。
「いやぁ、斗真君が来てからというもの、私もかなり助かっているよ」
「最初会った時は自分で全てやってたじゃないですか」
「君が来て安心しているんだ。それに料理やトラベラー資料整理などは私もやっている」
「まあ養ってもらってるんで、俺はこれ以上何も言えません」
「斗真君は将来良い夫になるよ。君に合う人を探すんだよ斗真君」
あーさんはこういう事をいとも簡単に言ってくる。そのせいで余計調子が狂うし、とんだブラック企業だと思うのにここから離れられない。
……俺があーさんに助けられたから、俺はあーさんに恩返しをしたいだけなんだ。実際、今でも俺の我儘には大体の事は応えてくれる。
「あーさんも、良い人見つかるといいですね」
「そうだな……焦らないといけない歳なのは承知しているのだがね」
「じゃあ前みたいに掃除洗濯もやってください」
「君にも仕事を与えないとフェアじゃないだろう?」
「見事に論破されました。あーさん、今日は予定あります?」
「今日はキャバクラのすまいるから依頼がある」
テンポ良く会話する俺達は、傍から見れば夫婦だろう、そう思いたい。
偶に万事屋の新八君の姉である妙さんから、彼女の職場であるキャバクラから依頼がくる。今日はその日なのだろう、どうも人が少ないようで、あーさんはボーイをやる。
キャバ嬢ではない、ボーイだ。あーさんにキャバ嬢は務まらないのだ、理由は割愛。
とにかく、俺は今あーさんの元で働いている。……働いている、というのかは不明だが、あーさんには感謝しかないのは確か。
いつか元の世界に帰れる日を夢見て、俺達はこのお江戸で生きている。
10代男性 完
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御子柴(プロフ) - 菜々美さん» 確かに、トリップ物で沢山の人が出てくる小説は少ないですかね……?読んでくださりありがとうございます、これからもよろしくお願い致します(´∇`) (2019年10月23日 10時) (レス) id: 4466855303 (このIDを非表示/違反報告)
菜々美 - こんな感じの小説は、読んだのが初めてだけど、とても面白く見させてもらってます! (2019年10月23日 2時) (レス) id: 179628e6fd (このIDを非表示/違反報告)
御子柴(プロフ) - グミさん» そう言ってくださるとモチベーション上がります……ありがとうございます!あーさんは憧れの存在です、更新は時折疎かになる事もあるとは思いますが、今後ともよろしくお願いします!! (2019年6月25日 22時) (レス) id: 4466855303 (このIDを非表示/違反報告)
グミ(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます。思わず引き込まれるような筆調と面白い内容で、私も1人の作者として尊敬しています。私あーさんのキャラや性格好きなので、これからも頑張ってください! (2019年6月25日 19時) (レス) id: 01f2b963c9 (このIDを非表示/違反報告)
御子柴(プロフ) - (名前)さん» いえいえ(´∇`)ミツバさんお元気だと誰もが気になりますよね笑 この作品には第三者目線がありません、それを踏まえて今後読んでくださると嬉しいです!これからもよろしくお願い致します!! (2019年5月16日 10時) (レス) id: 4466855303 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:御子柴 | 作成日時:2019年5月1日 0時