3-6 10代男性 ページ33
「よ、待ったか」
「32分19秒だよ、あ、近藤さんは出て言ってね」
「分かってるさ、他の隊士にも言っておく」
「ありがたい」
どうやら、協力者は彼のようだ。俺より顔が整っているのではないか……ととても不安になった、あーさんは彼といつも情報を共有していたのか。
俺が名前を名乗ると、向こうも名乗ってくれた。“土方十四郎”と言うらしい。声も格好良いなんて、俺に勝ち目はあるのだろうか。……身長以外、無いかもしれない。
「剣持、お前は何歳だ」
「17です」
「元号は」
「平成16年です」
「……やはり、歳や年代は関係ないと思われる。だが何となくでここら辺の年代ってのはある」
「そうなんですか?」
「平成が大半を占めている、稀に昭和があったりれ……平成の次の元号が来たりだ」
あーさんも土方さんも、このタイムトラベラーの事についてとても真剣に考えているのがよく分かる。
なのに俺は、土方さんにしょうもない対抗心を……なんだかちっぽけな人間だなと思ってしまった。俺は、俺だけしか視野に入れてなかった。
「斗真君、もし私の身に何か起こったらまず土方さんを頼ってくれ」
「……何か起こることが?」
「いや……分からない。この世界では何が起こっても可笑しくない」
「分かりました……」
「お前、腕は落ちてねェのか」
「いや、最近は体を動かしていない」
腕、というのだから、何かが得意なのだろう、あーさんは。何なのかは気になるが……まあ何かのスペシャリストなのだろう、あーさんは。
暫く土方さんとお話して、ここらでお暇する事に。屯所を出て、俺達はビルに戻る。
「土方さんってかなりのイケメンですよね」
「そうだね、斗真君と良い勝負をしている。だが身長が違うからなぁ……私は斗真君の方が良いけど」
「……え?」
「私と土方さんとの身長差なんて数センチしかないからね」
「そうですか……」
なんか一瞬期待してしまったな、と思いながら、あーさんの横を歩いていた。
ビルに着き3階まで上がると、誰かが入口付近に立っていた。赤い服を着ている子だ。あーさんはそれを見ると「神楽じゃないか」と言った。どうやら彼女は神楽と言うらしい。
「あーさん!久しぶりに遊びに来たアルヨ!……あれ、依頼人アルか?」
「まあね、ちょいと弟子志望の。剣持斗真君だよ。斗真君、彼女は神楽」
「よろしくです」
「よろしくネノッポ!!」
「ノッポ……」
神楽という子は結構毒舌みたいだ。
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御子柴(プロフ) - 菜々美さん» 確かに、トリップ物で沢山の人が出てくる小説は少ないですかね……?読んでくださりありがとうございます、これからもよろしくお願い致します(´∇`) (2019年10月23日 10時) (レス) id: 4466855303 (このIDを非表示/違反報告)
菜々美 - こんな感じの小説は、読んだのが初めてだけど、とても面白く見させてもらってます! (2019年10月23日 2時) (レス) id: 179628e6fd (このIDを非表示/違反報告)
御子柴(プロフ) - グミさん» そう言ってくださるとモチベーション上がります……ありがとうございます!あーさんは憧れの存在です、更新は時折疎かになる事もあるとは思いますが、今後ともよろしくお願いします!! (2019年6月25日 22時) (レス) id: 4466855303 (このIDを非表示/違反報告)
グミ(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます。思わず引き込まれるような筆調と面白い内容で、私も1人の作者として尊敬しています。私あーさんのキャラや性格好きなので、これからも頑張ってください! (2019年6月25日 19時) (レス) id: 01f2b963c9 (このIDを非表示/違反報告)
御子柴(プロフ) - (名前)さん» いえいえ(´∇`)ミツバさんお元気だと誰もが気になりますよね笑 この作品には第三者目線がありません、それを踏まえて今後読んでくださると嬉しいです!これからもよろしくお願い致します!! (2019年5月16日 10時) (レス) id: 4466855303 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:御子柴 | 作成日時:2019年5月1日 0時