相談者その１０［DOPPO］ ページ29
「うわっ！？テメェ、何で……」
とある土曜日の午前中、店内にそんな帝統の声が響いた。
「ちょっと、帝統！お客様に向かって『テメェ』とは何事！？」
アルバイトの帝統は普段はかなり口が悪いが、仕事のこととなると比較的丁寧な言葉遣いを心がけている。
そんな帝統がお客さんに向かって『テメェ』って……！
「ねぇ、私は『お客様は神様です』ってぐらい敬えって言ってるわけじゃないの。でも運動部の先輩程度には敬っとけって……」
その『お客さん』の姿を見て、私は思わず動きを止めた。
だって、そこにいたのは……
「独歩さん！」
「あ、ど、どうも……」
独歩さんは東京住まいのラッパー達の中で特にうちに来店することが少ない人だ。
一二三さん曰く、彼には休みがないらしい。
聞けば、彼の勤める会社は相当なブラック企業で、休日出勤と残業、仕事量に見合わない給料は当たり前なんだとか。
そのブラック通り越して暗黒企業に数年勤めている彼自身も、社会の闇にさらされ続けたせいかネガティブ拗らせている。
まぁそれは置いておくとして、そんな貴重な休日潰してまでうちに来るなんて何事だろう。
お客さんもいきなりの私服DOPPO登場に何事かとチラチラこちらを見ているのを感じた。
「あああ、さっきから若者達にめっちゃ見られている……そうだよな、ここは俺みたいなオッサンが来る場所じゃないよな、場違いだよな……。しかもうわ、あの
「独歩さんはそろそろ自分が有名人であることの自覚持った方がいいと思いますよ。あとギャンブラーちゃんと働いてます。信じ難いだろうけど幻覚じゃないです」
そう言えばこの人、少し前に出した新曲もなかなか闇深かったもんな……
一二三さんが『イケメンで完璧ですいまっせーん！！☆★⤴⤴⤴』 って感じだったのに対し、
『働きたくない！！無理！！でもやっぱり働かないといけない！！！もうマジ無理つら！！！』って感じだったもんね。
ってことは、これはアレか？会社を辞めるか辞めないか悩んでるとかの相談か？？
「相談事ですか？」
「その通りですよ……はぁ……彼女のことなんですけど」
あ、会社のことじゃないんだ。
私的に恋愛相談は嬉しいからいいんだけど、そろそろ独歩さんは会社を辞めたり訴えたりすることも視野に入れといた方がいいと思うよ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 94人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒプノシスマイク」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紅乱 - futureblue�鏡い気�» わぁぁ！ありがとうございます！続編の予定は……今のところないですね。完全なるネタ切れ状態でして(^_^;) 凄く嬉しいコメありがとうございます！！ (2020年5月12日 21時) (
レス) id: 649e22ca45 (このIDを非表示/違反報告)
futureblue�鏡�(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても面白くて毎度更新を楽しみにしていました!一旦完結となっていましたが､もしかして続いたりするんでしょうか!?もし続編が出るなら是非読みたいです! (2020年5月12日 16時) (レス) id: 7e21f45296 (このIDを非表示/違反報告)
紅乱 - ノイズさん» えと、彼女さんと夢主の名前のことですかね！？すぐ改善するので詳しくオナシャス！！m(_ _)m (2020年4月4日 18時) (レス) id: 649e22ca45 (このIDを非表示/違反報告)
ノイズ - 名前が一緒なのに違和感が…（笑） (2020年4月4日 16時) (レス) id: 4f45d6607d (このIDを非表示/違反報告)
紅乱 - 空希さん» 喜んでもらえたなら嬉しいです！クシナダに行ってみたいですと！？作者としてそれ以上嬉しい言葉はないです！ありがとうございます！！ (2020年3月24日 21時) (レス) id: 649e22ca45 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
