・ ページ22
一二三さんが送ったLINEには彼女のことが大好きだということ、苦手意識をなくしてもらうために彼女の好きなもの等が知りたいこと、テンション高めな文章で、スタンプと共に全て書き記されていた。
しかも、その左下には既読の二文字が。
「どうしたらいいかな……」
「どうしたらって……もう好きなことバレちゃったんだから正攻法で行くしかないでしょう。あと、ちゃんと独歩さんと誤爆したということも送ってくださいね。多分彼女、今頃これ見ながら困惑してると思いますよ」
まあ、こんな文章送られれば苦手意識なんて一瞬で消えるだろう。
だって、どの人格の一二三さんも本当に良い人なんだから。
「子猫ちゃん、今日は本当にありがとう……」
「え、今回私なんにもしてないですよ」
「それでも僕に助言してくれたことに変わりはないよ」
いや、本当に私何もしてないのに……
今まで沢山相談をされてきたけど、ここまで一人で解決してしまったのは今回が初めてだろう。
でもまあ、お礼を言われるのは嬉しいので、何も言わないでおこうか。
「そういえば、一二三さんの新曲試聴しましたよ！『パーティーを止めないで』でしたっけ」
「聞いてくれたのかい！嬉しいな」
シャンパンゴールドに続いて凄く華やかな曲だったよね。
ああ言う曲調、好きだなぁ。
「はい！……ただ、海パンにスーツは『完璧なTPO』とは言いません。世間ではそれをヤバい奴と言います」
「あ、それ独歩くんと先生にも言われた。──おっと、もう帰る時間みたいだ。喫茶店なのに紅茶の一杯も頼まなくてごめんよ」
「そんな、気にしないでくださいよ。恋愛相談は私の活力源なんですから。むしろこっちがお礼を言いたいぐらいですから！……そうだ、これ」
私がポケットから取り出したのは当店の割引券。
「次来る時に利用してもらえると嬉しいです。その人と進展があればもっと喜びます」
「！ありがとう。彼女と進展があれば……か、」
彼は何か思案するようにその券を見つめる。
余計なことを言ってしまったかな。
「一二三さん？」
「次来る時は彼女と二人かな」
そう言ってにやりと笑う彼の姿は数多の女性のハートを奪ってきたホスト、というよりもたった一人に恋い焦がれる男の姿、といった方が似つかわしい。
少なくとも私の目にはそのように映った。
彼はスーツを着ているのに不思議だな。
「じゃあ、今日は本当にありがとう！」
「ご来店ありがとうございましたー！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 94人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒプノシスマイク」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紅乱 - futureblue�鏡い気�» わぁぁ！ありがとうございます！続編の予定は……今のところないですね。完全なるネタ切れ状態でして(^_^;) 凄く嬉しいコメありがとうございます！！ (2020年5月12日 21時) (
レス) id: 649e22ca45 (このIDを非表示/違反報告)
futureblue�鏡�(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても面白くて毎度更新を楽しみにしていました!一旦完結となっていましたが､もしかして続いたりするんでしょうか!?もし続編が出るなら是非読みたいです! (2020年5月12日 16時) (レス) id: 7e21f45296 (このIDを非表示/違反報告)
紅乱 - ノイズさん» えと、彼女さんと夢主の名前のことですかね！？すぐ改善するので詳しくオナシャス！！m(_ _)m (2020年4月4日 18時) (レス) id: 649e22ca45 (このIDを非表示/違反報告)
ノイズ - 名前が一緒なのに違和感が…（笑） (2020年4月4日 16時) (レス) id: 4f45d6607d (このIDを非表示/違反報告)
紅乱 - 空希さん» 喜んでもらえたなら嬉しいです！クシナダに行ってみたいですと！？作者としてそれ以上嬉しい言葉はないです！ありがとうございます！！ (2020年3月24日 21時) (レス) id: 649e22ca45 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
