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それから帝統は本当によく働いてくれた。
まさか一週間で接客の仕事をマスターするとは思わなかったよね。
前々から思っていたことだけど、この人はかなり頭の回転が速いし物覚えも良い。
彼女さんへの愛が彼を変えているだけかもしれないけど……
「帝統はーん、妾の注文を間違えないでくんなまし〜。妾の注文はアイスティーのホットでありんすよ〜」
「帝統ぅ、僕のパンケーキ生クリーム増しね〜」
「あ"？！幻太郎、それ結局どっちだよ！？乱数、それ先に言えや！」
今日はポッセの二人が来店してるのでなかなか楽しそうだ。
「よよよ、怒られてしまいました……前世ではあんなに優しかったのに、変わってしまわれたのですね……」
「帝統ってば、姫を泣かせたらメッ！だよ」
……さっきの発言は取り消そうか。
彼等の恋愛相談を受けている時も思ったことだけど、彼等も頭の回転が速いが故に少し……いや、かなり面倒くさい性格であることを忘れていた。
「乱数くん、幻太郎先生、それぐらいにしといてよ。ここ、自宅じゃなくて店だから。公共の場だから」
「うわーん、オネーサンに怒られちゃったよ〜！……冗談だよ。その汚物でも見るかのような目やめてくれない？」
それに対して、帝統は「救世主！」と言わんばかりの顔で私を見つめた。
大きな貸しがまた一つ出来た。
＊＊＊
「帝統ってもしかして、かなり良い高校出てたりする？」
休憩時間、私は彼にだいぶ前から気になっていた疑問を投げかけた。
「は？なんでだ？」
「いや、なんかめっちゃ頭の回転速いし、お客さんに対して凄く丁寧だったから、けっこう良いとこの育ちなのかな〜って」
先程の接客は別として、帝統は本当に丁寧に接客した。だから何となくそう思っただけなんだけど……
ちらりと帝統の方を見遣って、驚いた。
彼の顔は普段の彼の様子からは考えられない程、思い詰めたように強張っていたからだ。
当店に来る方々は何の因果か、訳ありのお客さんが多い。
きっと彼も例外ではないのだろう。
それに、そんな顔をした人間の姿を、私はいつも鏡の中に見ていた。
そして彼は不器用ながらも、そんな顔した人間の思いを汲み取り、気遣ってくれるような人間だ。
そんな彼の触れられたくないところに土足で踏み込むのはおかしいだろう。
「……帝統、君に紅茶の淹れ方の極意を伝授させてあげよう」
「えッなんだよいきなり……」
今はまだ何も知らなくていい。
私も、彼も。
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紅乱 - futureblue�鏡い気�» わぁぁ！ありがとうございます！続編の予定は……今のところないですね。完全なるネタ切れ状態でして(^_^;) 凄く嬉しいコメありがとうございます！！ (2020年5月12日 21時) (
レス) id: 649e22ca45 (このIDを非表示/違反報告)
futureblue�鏡�(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても面白くて毎度更新を楽しみにしていました!一旦完結となっていましたが､もしかして続いたりするんでしょうか!?もし続編が出るなら是非読みたいです! (2020年5月12日 16時) (レス) id: 7e21f45296 (このIDを非表示/違反報告)
紅乱 - ノイズさん» えと、彼女さんと夢主の名前のことですかね！？すぐ改善するので詳しくオナシャス！！m(_ _)m (2020年4月4日 18時) (レス) id: 649e22ca45 (このIDを非表示/違反報告)
ノイズ - 名前が一緒なのに違和感が…（笑） (2020年4月4日 16時) (レス) id: 4f45d6607d (このIDを非表示/違反報告)
紅乱 - 空希さん» 喜んでもらえたなら嬉しいです！クシナダに行ってみたいですと！？作者としてそれ以上嬉しい言葉はないです！ありがとうございます！！ (2020年3月24日 21時) (レス) id: 649e22ca45 (このIDを非表示/違反報告)
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