人には愛されたいけど鬼には愛されたくなかった。/肆【鬼滅の刃】

１７４話＊僕っ娘って可愛いよね ページ45

「……ねぇ、それ」




先にその沈黙を破ったのは霞柱だった。
彼の視線の先には私の折り紙が。



『えっと、何か？』
「その折り鶴、君が折ったの？」
『うん、そうだけど……』



霞柱は「ふーん」と呟くように言うと、再び視線を空に戻した。
え、何？何その反応。聞いてきたのアンタでしょうが。



『この折り鶴がどうかしたの？』
「……似てると思った」



主 語 を い れ ろ
何に似てんだよ、その主語が何かによっては怒るかんな？

もしかして、昔鶴でも飼っていらっしゃった？んで、この鶴がそれに似てたとか？



『な、何に？』
「誰かは憶えてない。けど、その人はお前に似ていたはずなんだ」



すっげえ、こんなに意味わからんの生まれて初めて(白目)


てか元々一人称コロコロ変わる人だと思ってだけど二人称もコロコロ変わるのね、この人。




「けど………勘違いだったみたいだ。その人は君みたいに折り紙が下手じゃなかった」
『え、何で私disられたの⁇』



私を無視して勝手に話を進めないでいただきたい。
イミフすぎて「カバは可愛いからネコ科です」って言われた方がまだ意味わかるんだが。


何？もしかしなくても厨二病だったの？




『ていうか、私そんなに折り紙下手⁉ 結構自信あったのに！禰豆子ちゃんは喜んで受け取ってくれたよ⁉』
「禰豆子……？嗚呼、あの鬼か。あんな小さい子にも気を遣わせるんだ。酷いね、君」
『禰豆子ちゃんは見た目幼女だけど中身十四ですぅー！私とアンタと同じ歳ですぅーッ！禰豆子ちゃんはアンタと違って優しいからそんな下手とか思わないし！』



もういい、帰る！

始終何が言いたいのか全然わかんなかったんだけど！
義勇さんだってもうちょっと意思疎通できる……できるかな……アレ……？(失礼)




『あ、そーだ！』



一つ、言いたかった事を思い出して、霞柱の方を振り返る。



『霞柱さ、“俺”よりも“僕”の方が似合ってると思うよ、一人称』
「は？」



わけがわからない、といったふうに眉をひそめる霞柱に背を向けて、自分の部屋に向かう。

女顔系美少年は一人称“俺”でも萌えるけど、自分はやっぱ“僕”の方が好きだわ。ウン。

１７５話＊十字架＝白鳥→←１７３話＊モヒカンボーイいいこよな！

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す