人には愛されたいけど鬼には愛されたくなかった。/肆【鬼滅の刃】

１６６話＊魔女化はみんなのトラウマ ページ37

「そうか……わかったよ。でも絶対に無理するんじゃないぞ！」
『はーい』


まぁ、炭治郎が納得してくれたんならいっか。





──でも、野球には“コールド負け”というシステムも存在することは言わないでおこう。


「そうだ、A。今度また詳しく教えてくれよ、その野球ってものについて」
『‼ もちろんだよーっ！出来たらみんなでやってみたいなぁ』


何それ、すっごくワクワクする！

鬼殺隊のみんなで、階級とか関係なく野球とかやってみたい‼
柱とかも参加してさ！みんな腕力エグいから凄い試合になりそうだよね。

あ、あと伊黒さんは確実に変化球投げる。(確信)


でも伊之助あたりがバット折りそうなんだよなぁ……



「えっと、Aさん、これ以上ないほど楽しそうなところ悪いんですけど、修行は続行ってことでいいですか？」
『あ、ごめんね小鉄！うん、その通り続行で』


私がそう言えば、小鉄君はにやりと嗤う。
……え


「じゃあ今までよりキツくしても問題ないということですね！」
『えッ、ちょっと』
「でも一応病み上がりなんで食べ物は食べていいですよ！食べ終わったらすぐ修行です！」


この子、全っ然学習してねぇぇぇぇぇぇぇ!!!!


「こっ小鉄君、俺は……？」
「炭治郎さんは駄目ですよ。当然でしょう」


飴と鞭っつーか鞭と鞭じゃんこっわ!!!
ほら見ろ、炭治郎めっちゃシュン……ってしてるじゃん！

このままだと炭治郎の目からハイライト消えちゃうよ！


お願いだからソウルジェム曇らせんなよ、魔女になっちゃうだろうが‼





ただ、炭治郎には悪いけど七日ぶりのご飯は凄く美味しくて涙出た。


『何この魚、凄く美味しい……』


焼き魚とか何日ぶりだ。しかもこれ、めっちゃ脂乗ってんね。
けっこうお高い魚なのでは？


「あ、それ、里長がくれたんですよ！」
『そっかぁ、“里長の味”ってやつだね！』
「いや、近くの川で捕れた魚なんで“近くの川の味”ですよ！」
「“魚の味”だろ……」



恨み言を零すわけでもなく、静かにド正論を告げたその炭治郎の声に、再び罪悪感に襲われる。

わあ〜！さっきまでの楽しい気分が台無しだぁ〜！





さっきから凄く情緒でトランポリンしてる気持ち……

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