151話*炭治郎節最強よな ページ21
「刀鍛冶は重要で大事な仕事です!剣技のは別の凄い技術を持った人達だ。実際刀を打ってもらえなかったら俺達何もできないですよね?」
本当、人のために怒る炭治郎は一直線だ。だから沢山の人間が心を動かされる。
かく言う私も彼の言葉に心を動かされた人間の一人だ。
───でも、勿論例外はあるわけで。
「剣士と刀鍛冶はお互いがお互いを必要としていて、戦っているのはどちらも同じです!俺達はそれぞれの場所で日々戦って」
「悪いけど」
万人の心を動かす言葉なんて存在しないことを知らないほど私は世の中を知らないわけではなかった。
「くだらない話に付き合ってる暇ないんだよね」
霞柱は躊躇なく炭治郎の首に手刀を落とす。
どさり、と音を立てて炭治郎の身体は地面に伏した。
彼はどうでも良さそうにそれを見下ろすと、男の子の方に向き直る。
あああ、ちょっと待って、炭治郎の手当てしなくちゃだし霞柱が男の子に何かしたら炭治郎に合わせる顔がないし……ああもう!ごめんよ炭治郎!
私は意識を失った炭治郎を木に寄りかからせ、患部を確認しながらも、霞柱を睨む。
「君、本当に目つき悪いね」
『うるっさいわ‼ それよりも少年!』
「小鉄です!」
へぇ、小鉄って名前だったのか。やっぱり鉱山資源が名前に入ってるのね。
『じゃあ小鉄君!君はどうしたい?まあ私はよくわかんないけど……その“鍵”ってやつ?渡したい?渡したくない?』
私は炭治郎のように上手く人を庇ったり癒すこともできない。無理に立ち回ってももっと怪我人が出るだけだ。
これが今の私に出来る精一杯。不甲斐ないけど怪我人を増やすよりはマシだろう。
「……ッ、」
小鉄君は私と意識を失った炭治郎を見て、それから霞柱を見た。
そして、少し考えた後一つの結論を出したらしき小鉄君がおずおずと懐から取り出したのは鍵だった。
優しい子だ。
自分がここで鍵を渡さなければ私達に危害が及ぶと思って、渡してくれたんだろう。
『ごめんね、本当にありがとうね。……おいちょっと待ったそこの霞柱ァ‼』
「……何?もう話すことないはずでしょ?」
私は鍵を受け取った後、もう用は無いと言わんばかりに背を向けた霞柱に、怒鳴る。
『一ついいかな、霞柱さんよォ』
炭治郎が私達の気持ちを代弁するように言ってくれたけど、私からも何か言わないと気がすまなかった。
多分今の私の人相は最悪だろう。
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『お好きな食べ物は何ですか!!?』
152話*ふろふき大根美味しいよね→←150話*スルースキル選手権、開催!
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