人には愛されたいけど鬼には愛されたくなかった。/肆【鬼滅の刃】

１４１話＊夕飯がカレーの日のテンションは異常 ページ11

「やっぱり私が担当させて頂く柱と同じ歳ですね！」


へぇ、柱の中に同じ歳の人なんていたのか。




『ちなみに、それが誰か聞いても？』
「はい、霞柱の時透無一郎殿です」



ああ、あの子か。
柱合会議で三回は会っている筈だけど、少ししか声を聞いたことがない。

私が来た時も炭治郎達が裁判にかけられた時も一人だけ虚空を見つめていた印象が強く、この世の全てがどうでも良さそうな顔をしていた。



他の柱が個性の塊すぎてそれぐらいしか覚えてないや。

でもあの子はあれだね、明日世界が滅ぶとしても今日の夕飯の事考えてそうな顔してた。うん、間違いない。









鉄穴森さんと別れた後、しのぶさんから課せられていたノルマを達成する為に室内で筋トレに励んでいると、すぐ夕餉の時間となった。



筋トレに励むとは言ってもこの足枷のような重りの所為で動けたものではなく、ほとんど休憩時間と化したけどな。



ちょっと冷静になって考えてみてほしい。

半年前までごく普通の女子中学生だったやつがめっちゃ重い重りつけながら筋トレできると思うか⁇
無理だから！

誰かこの重りをつけて歩いてるだけで褒めてくれないかな……
そんな人いるわけないよな……



「Aちゃーん！あ、重り外さずに頑張ったのね！偉いわ！」
『蜜璃ちゃああああああああああん!!!』


いた……！天使がいた……！
兄ちゃん、理想郷はここにあったよ……‼






＊＊＊







「ここのご飯美味しいわね！」
『……oh』


笑顔で頬張る蜜璃ちゃんの前には大量の料理と空の食器が。この細い体のどこに入んの⁇


……ああ、そういえば筋肉の密度が常人の八倍って言ってたな。
その分基礎代謝が高いのか。納得納得ゥ！



『蜜璃ちゃん、これも食べる？』
「あ、ありがとう！いいの？」
『うん！』


私の心を癒しまくってくれている、せめてものお礼だ。
大してお金があるわけでもない私が蜜璃ちゃんに出来ることなんて、これぐらいしかないからね。



「……Aちゃんは、」
『お？』



何を思ったのか、蜜璃ちゃんの箸を持つ手が急に止まった。





「Aちゃんは気持ち悪くないの？私が」
『は？えーっと、え⁇』


どうやらこの子、“気持ち悪い”の意味をご存知ないらしい。
あ、もしかして“綺麗”と“気持ち悪い”の意味間違えてる？外国からの留学生かな？

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