いちごたちの宝物 ー悪いけど、譲る気ないよ？ー

#31もしかして るぅとside ページ33

るぅとside



るぅとです！昨日の夜はじゃんけんに負けてしまって落ち込んでましたが、今日は朝から元気です！



A「るぅとくん、飴、ありがとう！」



そんなに可愛い笑顔で言われたら、僕、好きになっちゃいますよ？さりげなく握った手は、小さくてとっても柔らかくて。・・・さとみくんの妹に、変なことはできませんけど。



な「るぅとくん、恐ろしい子・・・」



名残惜しかったけど、朝ごはんを食べ終えたのにずっと食卓にいるのは不自然だろうと思って、台所に向かうと、なーくんが台所の隅っこにしゃがんでいた。



「え、なーくん？なにしてるんですか？」



な「や、水飲みに台所にきたんだけど」



なーくんが口ごもる。僕たちの会話が気になって、戻るに戻れなくなったってところでしょうか。



なんのことですか？と笑顔で聞き返すとなーくんは引きつった顔で「ううん、なんもないよ」と言って戻っていった。



みんなの食器を洗っているとAさんも食べ終えたのか、手伝おうか？と聞いてきた。ほかの5人は「よろしく〜」みたいな感じだったから、その優しさがとっても嬉しかったです。



そのあと、外の空気を吸いたいとAさんはベランダに出た。聞こえてきたのは、美しい、歌声。




「・・・これ・・・」



うるさかったみんなも、Aさんの歌声に聞き入っていた。澄んだ声。全身に鳥肌がたった。



性別の違いがとても悔しくなりました。僕にもあんな綺麗な高音がだせたら・・・。部屋に戻ってきたAさんに、みんなが詰め寄る。・・・僕と、僕たちと歌ってもらえたら。そんな考えが一瞬頭をよぎる。・・・そんなこと、叶うはずがないですけど。



A「私、スカイツリーのぼってみたい・・・！！」



ス、スカイツリー？いかにも田舎からきました、みたいな発言が面白くてかわいくて、つい笑っちゃいました。



な「じゃー、12時にまたころちゃん家集合！みんなで行こう！」



なーくんの言葉に、各々が行動を開始する。ジェルくんは、かわいい女の子とこれからお出かけするっていうのに、あんな格好で恥ずかしくないんでしょうか。



ころちゃん家からでるまえに、おトイレを借りました。でようとすると、玄関の方から声が。



さ「ほんとにころんになんもされてねぇか？」



真剣な、さとみくんの声。気になってはいました。さとみくんが、あんなにモテるのに本命をつくらない理由。だれか、好きな人がいるんじゃないか、と。

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