【七つの大罪】虚飾の影法師 (ページ43)

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第43話ページ43

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桜と雪が合わさったような長い髪にくりくりした撫子色の目。頭には猫耳を連想させるような癖毛(？)がある。
上目でルノアールを見ていれば、口を開いては閉じてと、緊張でもしてるのか声が出しずらそうにしていたが、意を決してと少女が弱々しく言葉を発した。

「………七つの校則違反を取り締まらなきゃ、ダメ。ルノアール、言われたでしょ……？」

見たことも会ったこともない少女に言われ、数分前を思い出す。

「そうだな。……っと言うことで」

ルノアールはメリオダスに向け、構えた。

「七つの校則違反団長、お前を拘束する」
「なにっ、プレイの一環か！」

―――へらへらと変態野郎の言動に耐えられず、一発殴ってやったのは言わずもがな。
完全に油断していたメリオダスは大きく仰け反り、宙に飛ばされるが、体を上手く捻って宙返りをし着地した。
殴られた所を擦りながらおお痛ぇと呟くのを聞いたルノアールから発する黒いオーラは、地鳴りのような音出していた。握り拳が震える。

「……なんでそっちに考えがいくんだ、中身三十路野郎が」
「ん？そっちってどっちの話だね？」
「……憤怒(おこりんぼ)、ニヤニヤしてる。絶対わかってる」

殺気立った空気に怯える少女だが、あくまでルノアールの味方のようで背後から顔だけ出しメリオダスを睨んだ。

「あれ、見ない嬢ちゃんだな」

不思議そうにメリオダスは見ていたが、すぐにこちらに視線を戻す。
……夢にまで下ネタをぶちまけるって。誰かこのバカを何とかしてくれないだろうか、王女様にとっても自分にとっても危険者過ぎる。
背中に隠れるように佇む少女も可哀想だ。

ともかく、今は風紀委員長として七つの校則違反を捕まえる事が先決だ。現実みの無いこの夢が覚めるまで、ルノアールはここの住人として演じなければならない。
グッと拳を構え直し、足を開き、少し腰を沈める。近接型のメリオダスに“体術で”対抗しても、自分が負かす事など不可能に近い。だが――

ルノアールは駆けた。
身構えるメリオダスの顔面に打撃を食らわせた。数㎝手前で拳を受け止められたが、もう片方空いている拳が下から顎を狙う。それも塞がれてしまい、ルノアールの右足がメリオダスの脇腹に伸びて行き、寸前身を低くさせ回避された。