【呪術廻戦】いつかここから連れ出して【五条悟】

相伝 ページ20

A「それに術式は、代によって発現するしないはあるけど、血による相伝が普通でしょ？
双子はそれが上手くいかないことが多くて、最悪そこで固有の術式が失われてしまうこともあるから、呪術師の家系では尚更致命的な問題みたい」

悟「でも俺は六眼と無下限呪術、完璧に継いでんじゃん。本家の一人っ子どもは誰も持ってないのに」

A「そう、だから悟はほんとに凄いんだよ。……本当に、珍しいことなんだ」



何人かの名前の右上に小さく付けられたバツ印。落ちこぼれの烙印。

なにも五条家に限った話ではない。双子は遺伝の仕方が不安定で、術式を持っていなかったり、呪力が一般的な呪術師の半分あるいは全く無いということも少なくないと資料で見た。



A「悟は、ちゃんと呪術の才能を持って生まれてきたどころか、五条家最大の武器を併せ持ってる。
きっと誰もが、双子なのにそんなまさか、って驚いたはずだよ。」



それに比べて僕は……と続けそうになるのを飲み込んで、家系図の、二股に分かれた片方が空白のままになっている部分をそっとなぞった。

これは僕だ。注釈が付いてなくてもなんとなく分かる……これは、ここに書かれるべきだった人は、僕と同じように名前を持たなかった人だ。

この人はどうしたんだろう。何歳まで生きられたんだろう。僕みたいに閉じ込められてたのかな、それとも家の外に出されたのかな。

いくら考えたところで知ることは出来ないけど、これを開くたび親近感を覚えずにはいられない。

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