白（黒）人魚は二重人格！？Ⅱ (ページ2)

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46話ページ2

次の日。
監督生がアズールくんとの契約満了まで、残り2日。

嫌な予感が取れなくて、昨日は眠ることも出来なかった。
授業も受ける気にもならず、モストロ･ラウンジに向かった。

ラウンジにある大水槽に入り、目を閉じてただただ水の流れに身を任せていた。
寝不足だったのか、なんなのかわからないけど、動く気も考える気もなく脱力していた。

だから、ここに人が来たなんて気付きもしなかったんだ。

バシャン

大きな音と共に水が波打つ。
突然特別な温もりに包まれ、目を開けるとそこにはフロイドくんがいた。

僕にしっかり抱きついているため顔は見えないが、どこか落ち込んでいるような、拗ねているような感じだった。
優しく抱き締め返し、頭を撫でながら問う。

『フロイドくん。どうしたの？何かあった？』

｢アズールに怒られた。｣

『アズールくんに？どうして怒られたの？』

｢オレのユニーク魔法で金庫に傷つけたから。｣

『え。誰か来てたの？』

｢イソギンチャクと小エビちゃんたち。｣

『……そっか。』

フロイドくんの頭を優しく撫で続ける。

アズールくんの契約書を盗みにでも来たのだろうか。
ずっとここにいたのに、VIPルームの侵入を許してしまったことに罪悪感を感じる。

『契約書はアズールくんの大切なものだからね。それのための金庫だから、傷が入ったのが悲しかったのかな？でもさ。イソギンチャクたちの魔法からアズールくんとジェイドくん守ったフロイドくんは、偉いと思うよ？とってもかっこいい。』

｢本当？｣

『うん。本当だよ。だから、後でアズールくんにごめんなさいしに行こう？僕もずっとここにいたのに、イソギンチャク達がここに来たこと気づけなかったし。僕もごめんなさいしにいくから。』

｢……わかった。｣

アズールくんの金庫はなくてはならないもの。
なぜなら、あの黄金の契約書には弱点があるから。
何百枚、もしかしたら何千枚もある契約書全て守りきるには、あれくらいしないとダメだということだ。

フロイドくんも落ち着いたみたいで、午後は一緒に授業をサボった。
2人でずっと水槽の中で過ごした。