動じない8話 文化祭(6) ページ10
「廃止だっ!とにかく文化祭廃止!その宣言をあんたがここでするんだ!」
男はそう言って理事長に指を突きつけたが理事長は「お断りだね!そんなこと、あんたみたいな賊に命令されて、宣言できるわけないだろうが!」と臆せず鋭い声で返した。
その声の効果は、周りで状況を見つめている生徒や保護者にも波及しやがて、
「そーだ、そーだ!」「文化祭廃止、反対!」「文化祭バンザイ!」
と群集のあちらこちらから声が起こった。
「うるせーんだよ!愚民どもが!」
しかし、マイクの力を借りた男の声があたり一面を叩き、群衆の声はひとまず終息する。
「誰がグミだコノヤロー!」
「近藤さんグミじゃねぇ、愚民だ。あんたに果汁はねぇ。」
「クソが!そうやっててめーらがテンション高くすんのがウゼーんだよ。何が文化祭だ、いいからさっさと廃止宣言しろや。」
そう続けた男に対し理事長は「断る!」と返事を変えない。
すると、男の口元が醜く歪んだ。
「いや、あんたは断れない。」
男はそう言うと、リュックから何かの液体が入った瓶を取り出した。そしてその瓶を桜田さんの顔のそばに持っていきながら、勝ち誇ったように続ける。
「塩酸だ!さっき理科準備室から盗んでおいた。理事長、あんたが文化祭の廃止を決めねーなら、俺はこいつをこの女にかけるぜ。」
塩酸という言葉にざわりと会場の緊張が増す。理事長もこの展開は予想していなかったのか卑怯な奴だと下唇をかんでいた。
一番の被害者の桜田さんは無表情でどこかあきれたような表情をしている。そして犯人にだけ聞こえるようにボソッとつぶやいた。
「ここでそれを使ったら、貴方の人生は終わってしまいますね。ただでさえ学校テロなんかしているのに塩酸だなんて・・・・、罪を重ねてもいいことなど何もありませんよ。」
「・・・・・・人質なのにずいぶんと余裕だな譲ちゃん。黙ってろ。死にてーのか?」
彼女はまたため息をつくのであった。
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ゆめ - 胡桃さん» しかし、ゆめはそれをドブ川に落としてしまった!ゆめに1000のダメージ!っと、おふざけはこの辺にして、ありがとうございます!文才があるといってもらえて嬉しいです! (2018年6月1日 19時) (レス) id: 071a98174c (このIDを非表示/違反報告)
胡桃 - ゆめ は 文才 を てにいれた! (2018年5月3日 13時) (レス) id: eaea3a9226 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ - 銀魂LOVE♪の神紫ダヨさん» ありがとうございます!今、書いてます!もうしばらくだけお待ちください。 (2018年4月19日 22時) (レス) id: 071a98174c (このIDを非表示/違反報告)
銀魂LOVE♪の神紫ダヨ - 続き見たいです!更新頑張ってください応援しています (2018年4月15日 9時) (レス) id: 85fc3d6f11 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ - ほわいとさん» 最近更新サボってすいません!ちょっと忙しくてヤヴァイの出もう少しお待ちください!絶対更新はします!絶対します! (2018年4月5日 13時) (レス) id: 071a98174c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆめ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hasake/
作成日時:2018年2月27日 9時