検索窓
今日:5 hit、昨日:1 hit、合計:7,512 hit

3601 ページ10




「“鳥籠”?」


飯を頬張りながら男の言葉を繰り返す。

「ここは世の中を震え上がらせた凶悪犯が
最期に行き着く死に場所。通称、鳥籠だ」

「ここは何処だ?江戸から離れてるのか?」

「さァ?それは俺も知らない。
目隠しをされた状態で連れて来られたからな」


(シャチ)、と名乗った男が
喋りながら私物とみられる文庫本の余白に絵を描き始めた。


「なんだそれ」

「あぁこれか?
このイカれた施設を生き残る為の心の安定剤だ」


スラスラと紡がれるイラスト。
本気で上手い。

上手いのだが、
絵柄がどう見ても少女漫画向けだ。

俺の戸惑いの視線に気づかず
イラストを進めながら鯱は話を続けた。


「で、何が聞きたいんだ?」

「出口」

「いや、馬鹿だろ。お前馬鹿だろ」

「出口は何処だって聞いてんだよ」


身を乗り出し、ボールペンを持つ鯱の手を握り潰す。

「いや聞き方くらい考え…いいい痛い痛いっ待て待て待て!」

腕を組んで威圧すると鯱が周囲を警戒しながら口を開いた。

「脱獄する気なのか?」

「さっさと吐きやがれ。ペンへし折るぞ」

「脱獄だけはやめとけ。ここは収容なんて生ぬるい施設じゃねェ。
要塞だよ。そんぐらい囚人に対する執着が異常なんだ」

チラリと横目で看守を見る。

「見ろ。あの表情も視線も読ませねーよーに傘を被った看守。
俺は色んな収容所を渡って来たが、
あんなの他じゃ見たことがねェ。
他にどんな未知の監視システムがあるか……」

「で、出れそうな所は何処なんだ」

「お前人の話聞いてる?ったく。バレても知らねーからな。
俺には分からねェ。けど、医務室に建物の見取図があるはずだ。
詳しくは見てねーが。フォルダがあったのは覚えている」

「本当なんだな?」

「俺は嘘つかねーよ」

「あっそ。じゃぁまた何かあったら頼むわ、鮭クン」

「いや、鯱です」

1748→←3298



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (19 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
22人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 坂田銀時 , シリアス
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

しゃしゃねこ(プロフ) - あーたぁさんだぎぃさん» そういう事だったんですね!教えてくださり、ありがとうございます!更新、頑張って下さい! (2017年8月7日 17時) (レス) id: 0f734cf238 (このIDを非表示/違反報告)
あーたぁさんだぎぃ(プロフ) - かのんさん» メッセージありがとうございました!! (2017年8月7日 17時) (レス) id: 0b40d94bc8 (このIDを非表示/違反報告)
あーたぁさんだぎぃ(プロフ) - かのんさん» 目次の数字は、構想の段階で囚人番号に使用する予定だった数字です。番付方法から結構細かく設定していたんですが、モブの見分けがつかなくなりそうだったので止めました(笑)ゆるりと更新していきますので是非ともお付き合いよろしくお願いします。 (2017年8月7日 17時) (レス) id: 0b40d94bc8 (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - 凄い面白くて、読み応えがありますね!!つかぬことをお聞きするのですが、話の目次、0617とかって、どういう意味ですかね?教えてくだされば幸いです。更新頑張ってください! (2017年8月6日 23時) (レス) id: 0f734cf238 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あーたぁさんだぎぃ | 作成日時:2017年8月5日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。