【銀魂】鉄格子に誓いのキスを【坂田銀時】

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医務室の外に出ると、一瞬で空気が変わる。


あらゆる人種が行き交う廊下。


皆、一様に地味な服でそろえてある。



すれ違う奴らは刺青やら深い傷跡やらの
強面ぞろいで、さっきまでの医務室とは完全に別世界だ。



肩でもぶつけようものなら殺される。多分。



極度に緊張しながら、廊下を通り抜けると
今度は円筒状に高く伸びた広い場所に出る。


見上げても空は見えず、
真ん中の太い監視塔の周りを取り囲むように
分厚いガラス張りの個室が何段も積み上げられている。


そのうちの一つに入り、備え付けられた硬いベットに転がった。

寝心地は最高に悪い。



俺は囚人だ。



それはなんの比喩でもなくご覧の通り。



一週間前、俺は仕事の依頼として呼び出され

気がついたら拉致られていた。



目覚めた直後のことはパニックのあまりよく覚えていない。

確か所長を名乗る人物に会った気がする。

今分かるのは見に覚えの無い罪で囚人服を着ている事だけだ。

下を見下ろすと広間を行き交う囚人達が見える。

刺青や傷、いかにも犯罪者といった容姿に憂鬱になる。
これからずっと俺はこいつらと……



「坂田銀時」



ガラス越しにかけられた声に身体を起こす。

全身黒い装いで笠で顔を隠した看守が立っていた。


「所長がお前を呼んでいる。来い」

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