奈落の底は案外明るいかもしれない

シリアスはご遠慮ください ページ17

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「A、いい加減起きろよ」

「……朧。レディの部屋に勝手に入ってこないで」

「早く布団から出ろ」

「いーやーだー。私布団と結婚したんです」

「そうか。お前の分の朝餉は片付けておく」

「えぇ！！！？ それはダメ！ 起きますから布団と離婚しますからそれだけはホントやめてください」






あの日からどれくらい経っただろう。

朧はめちゃくちゃ仕事してる。

剣やクナイの練習も今まで以上に打ち込んでいる。

やっぱりこの子心配。

私はというと、通常運転です。

でも、あの夜の事を気にしていない訳ではない。そこまで能天気じゃねーから。

弟弟子は楽しみだったし、松陽と一緒にいたかった。

ま、そんなにいつまでもクヨクヨしてられないし。

急いで着替えて、朝ご飯を食べに食堂へ向かった。






今日の朝ご飯は、お茶漬けに味噌汁に焼き魚。

洋食ってないのかな。食べたい。

そんな事を考えながら朧の隣に座る。

「ねぇ朧。アンタ最近仕事頑張りすぎじゃない？」

「……先生を護るためだ。あの人の教えに反そうと、その隣にいられずとも、あの人を護る」

「……朝から気分が重くなる。よし、お前のあだ名『シリアス製造機』な」






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