散歩してたら推し拾った【文スト】 (ページ8)

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『....えっ？』

芥「この本に出てくる"芥川龍之介"...完璧に僕であった。それにこの"太宰さん"
この太宰さんの僕へのセリフ、まさにそのものだった。」

先程とは打って変わり、口数が一気に多くなった彼。
そんな彼にも、この状況にもついていけなくなった私は口をぽかん、とあけ、まさに"ばなな"の表情をしている。

芥「...なぜ黙る？」

『お、驚いたからです...？』

芥「何故だ」

何故だと言われましても。

ここで「急なキャラ代わりに驚いた」
って言ったとして、先程のように睨まれたらひとたまりもない。

おずおず、と答えられずにいると彼は

芥「まあいい」

と切り替え、表情を変えた。そして

芥「改めて言おう、先程は貴様を知りもせず疑い、悪かった」

私に頭を下げた。

...頭を

...頭を、？

『え！？ちょ、頭あげてください！！』

まさか頭を下げられるとは思わず、大きな声を出してしまった。

彼はしかし、と言って頭をあげない。

こんなキャラだったっけ！？

なんて疑問が生まれつつも、彼にどうにか頭を挙げさせ、私止めを合わせる。

『えと...私は怒ってないですし、それに芥川さんが信じてくれる、と実は思ってなかったので...(小声)
こちらこそ、ありがとうございます！』

そして次は私が頭を下げた。

さっきは彼が頭を下げて、次は私が下げて。
なんともカオスな状態に、私は笑いも出なかった。
だが

芥「...くっ..」

突然頭部から笑い声が。
ハッとして頭をあげると、そこには口元に手をあて、笑いを抑えようとしている彼がいた。

芥「ふっ..貴様、Aと言ったか。
約束しよう、僕はこれからAとともに行動する。」

『へ、』

芥「僕、約束は守るぞ。」

そうゆう問題なのか、なんてツッコむタイミングもなく、気づけば私も笑みを浮かべ

芥「これから宜しく頼むぞ、A」

『はい！宜しくお願いします、芥川さん！』

そう再び"よろしく"と伝え合っていた。