散歩してたら推し拾った【文スト】 (ページ34)

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32・番外編続きページ34

『....あ、もう暗くなってきたね...』

色々なアトラクションを周った私たちはベンチに座り空を見上げていた。

ポツリ、私がそう呟くと彼も

「嗚呼...」

と返す。

.....

少しの間が空いた後、芥川くんがポツリ、

芥「観覧車....」

そう呟いた。

『....あぁ、』

彼がみていた方向を見れば、そこにはライトアップされた大きな観覧車があった。

その近くには、数人の男女、家族の姿が見える。

『...乗る？』

なんだか乗りたくなってしまって、私は彼にそう聞いた。すると

芥「嗚呼、行こう」

と立ち上がり、私二手を差し伸べた芥川くん。

『...ありがとう』

なんだか照れくさくなりながらも私はその手をそっと掴み、歩き出した。

"

〈それでは行ってらっしゃいませ〉

『わっ、動き出した』

芥「もう既に地面と遠いな」

私たちが乗ったワゴンは白色で、不思議と目の前にいる芥川くんを連想させた。

『....ねえねえ芥川くん』

芥「？どうしたA」

『今日のお出かけ...どうだった、？』

ワゴンが丁度途中になった頃、私は芥川くんにそんな質問をした。
芥川くんは少しぽかん、としたあと私と目を合わせて

芥「とても、愉快な一時であった」

そう、微笑んでみせた。

『...そっか！よかった～！』

それが嬉しくって私も精一杯の笑みを浮かべた。

"

『もうそろそろだ、頂上！』

ガタン、ガタンと音が鳴る度どんどんと地面と離れていってなんだか不思議な気持ちになった。

芥「いい景色だな」

『そうだね！』

もうすっかり暗くなり、鮮やかなライトで照らされたパーク内はとても輝いて見えて帰りたくないな、そう思うほどであった。

ぼんやりと、外を眺める。
するとピト、と手に何かが触れた感覚がし、そちらを見る。

芥「A」

私の手に触れていたのは芥川くんの手で、少し驚く。
が、それ以前に距離が近くなっていることに驚きを隠せなかった。

『ど、どうしたの？芥川くん....』

私がそう尋ねれば芥川くんは私の手をキュッと握り

芥「...もしかしたら、僕は来週...いや、明日にでも帰ってしまうかもしれない。
だが、僕は身勝手なことに、Aの傍に居たいと思ってしまった、
どうか、この短い期間だけでも僕のそばに居てはくれぬだろうか、？」

そう、私の目を真っ直ぐ見つめて言った。

ガタン、と観覧車が頂上に着いたのと同時に18時の鐘がなる。

私もそれに合わせ

『...はい！』

彼に、そう答えた。