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次の日のお昼頃、私は目を覚ました。
今日は元々平日だったこともあり仕事もあったのだが、
あんなことがあったあとと言うことで、同僚に申し訳なく思いつつもお休みを取った。
まだ眠たい目を何とか開けながら、寝室からのそのそとリビングへ歩く。
リビングのドアを開けると、そこにはテレビをまじまじと見つめる芥川くんの姿があった。
『おはよう、芥川くん』
芥「おはよう、A
よく眠れたか?」
『うん、なんとか』
芥川くんはテレビから視線を外したと思えば、またすぐ私からテレビへと視線を移す。
それにつられ、私もテレビを見た。すると
《今朝6時頃、通報があり、そこには気絶する男の姿が───
警察は、この男の鞄の中をしらべ、刃物が複数本出てきたことから、男が刃物を持った不審者だと推測し────》
昨晩の出来事がテレビで放送されていた。
いつの間にか眠気は冷め、私はテレビをじっと見つめる。
《また、男のスマホを調べたところメッセージ内容から2人の協力者が居ると分かり、
現在調査を進めています》
『.....協力者、かぁ』
私って随分人に嫌われているんだな、
そう今回の事件の大まかな情報を聞き、私はそう思った。
芥「...Aよ」
『ん?何?』
「...あまり、自分を責めるな
貴様は悪くない。どうせ今回の事件も愚者の嫉妬から始まったこと。
貴様が普段、なにか悪いことをしていなかろうが、そやつらはひとつでも自分が劣ることがあればすぐに敵対する。
そんな奴らにいちいち気を配っていては貴様の身が持たぬ」
『...うん、そうだね!』
芥川くんが言った、"いちいち気を配っていては身が持たぬ"その言葉が今の私にはとてもありがく、なんだか少し気持ちが軽くなった気がした。
『...ありがとう、芥川くん』
芥「あんずるな、当たり前のことを言っただけだ」
『..ふふっ、でもありがとう!
そろそろご飯作ろうか!』
芥川「僕もする」
芥川くんはそう、裾をめくった。
『...芥川くんも手伝ってくれるなら、すごいもの作っちゃおうかな〜』
芥「.....あまり手のこったことは出来ぬが。」
『あははっ冗談だよ、ホットケーキ作ろう!』
芥「...めーぷるとやらはあるか」
『あるよ』
今までは1人で寂しく感じた、このリビングが、居心地のいい空間になった気がした。
いつまでも、この生活が続けばいいのに、なんて。
いっそ私が"そちら"に行けたらいいのに、そう思ったしまうほど彼との生活は心地よく、素敵なものだった。
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紗雪(プロフ) - やつがれくん.....もうめっちゃ好き! (10月22日 16時) (レス) @page39 id: fc2b6b5dfb (このIDを非表示/違反報告)
○8○(プロフ) - やつがれくん…好きっス… (10月11日 7時) (レス) @page34 id: bcf389227d (このIDを非表示/違反報告)
オタク - スゥッッ...愛してます() (9月22日 18時) (レス) @page24 id: 625a6655ea (このIDを非表示/違反報告)
本の世界にいきたい(プロフ) - スッ…………好き(語源力) (9月13日 0時) (レス) id: 1975082612 (このIDを非表示/違反報告)
朝宮藍良@元十六夜紅葉(プロフ) - コメント失礼します!やつがれ君かわいいですww更新ゆっくりでいいので頑張ってください! (9月11日 19時) (レス) @page16 id: 384241b2c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もすこみゅーる | 作成日時:2023年7月17日 21時