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「退院してしばらくしてから、
Aちゃんが入社してきたやん？
なんかもうAちゃんのことで、
頭いっぱいになって、
すぐにそんなん、記憶から薄れてった」
今、それ言うの、反則だよ。
自然に笑みがこぼれてきて。
「嬉しい」
章ちゃんの頬にキスしちゃった。
「章ちゃん、
いつから私のこと、
気になってた？」
「んー？ほんまのこと言うてええ？」
「うん。いいよ？」
「Aちゃんが面接に来た日。
なんやろ、びびって来てん。
今、思い返すと、やけど・・・
はっきり、俺、この子のこと好きかもって、
意識したんは、
春のお花見ぐらいかなあ。
神ちゃんと仲良過ぎやろって、
嫉妬してて・・・
そんで気付いた」
うわあ。
胸がきゅんきゅん鳴り続けてる。
なんで今まで、
付き合うまでの気持ち、
お互いに話さなかったんだろ。
「行ったね、お花見。
楽しかったなあ」
嬉しくて、声が弾んじゃう。
そんな前から、好きでいてくれたなんて。
「俺にだけ言わせて。
Aちゃんは？
いつから俺のこと好きなん？」
「分かんないよ、そんなの」
「ずる。
俺が気付いたんは、
ゴールデンウィーク明けやで。
久しぶりに出社した朝、
お土産やて、俺にだけ、
みんなとは違う東京のお菓子くれたやん？
めっちゃ美味しいやつ。
あの時、もしかして俺ら両思い？って」
お菓子、そう言えば、
社長のだけ、別に買った。
完全に無意識だった。
でも、休みの間、
ずっと安田社長のこと、考えてたっけ。
会いたいなあって・・・
「章ちゃん、うぬぼれ屋さんだな。
可愛い」
「違ったん？」
「違わないけど・・・」
「合ってるやんか」
「私、そんなに顔に出てた？
章ちゃんは全然、分かんなかったのに・・・」
「そういうとこが可愛いかった。
声かけると真っ赤なったりして」
恥ずかしいなあ。
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作者名：fool x他1人 | 作成日時：2018年9月10日 10時
