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「のぞみ？」
半分夢の中の望みを見て、心配そうに智を見る希。
「希？望ねまだ体力戻ってないから、
寝てる時間は多いだろうけど、
ちゃんと元気になってるからね。
今日からは同じお部屋で、
一緒に居れるからね。
だから希も早く元気にならないとね。」
「俺も智兄も近くにいるから。
もちろん、翔兄や和、潤もね。」
「ゆっくりでいいから。
ちゃんと元気になろうな。」
３人の兄の声を聞いて安心したのか、希は抱っこしている雅紀の腕から降りようと動き出した。
「どうしたの、希？
降りるの？」
「ん・・・。
のぞみ、いっしょ・・・。」
「あぁ、そう言う事。
翔君、モニターと点滴のチューブどかして。
雅紀、希をベッドに降ろしてあげて。」
智の言葉に、翔と雅紀も希がしたかった事を理解し、直ぐに希は望と同じベッドに降ろされた。
「希、くっ付くのはいいけど、
望には点滴が付いてるから。
それ抜けちゃうと、痛いからね。
気をつけてあげてよ？」
ベッドに降りた瞬間、望の布団にもぐりこみ、ギュッと望に抱きついた。
そんな希を見て、心配性の翔の小言が炸裂。
移動の為に来てくれた小児科の看護師さんも苦笑いだった。
小児科病棟のナースステーション近く。
３１０号室が望の定位置の病室。
長期入院の子や望みたいに入退院を繰り返す子供は、少しでも落ち着いて過ごせるように同じ病室が用意される。
３１０号室はナースステーションも近く、家族も泊まれるように広めの個室。
本来なら重篤な患者に使われるような部屋なのだが、望も入院＝２４時間監視の必要な状態が多いため、３１０号室の固定。
あと、こう見えても長男の智が小児科の医局長。
三男雅紀が看護副主任。
ほんのすこーしばかり職権乱用しています。
でも、２人とも普段の行いが良いせいか、望が良い子だからか・・・。
誰も文句を言わないし、暗黙の了解で認めてるんです。
病室に付くと、希用のベッドもあった。
望が倒れて、希が熱を出して入院になって・・・。
病室、希もここを使っていた。
小児用のベッド２台ぐらいは余裕に入りますからね。
基本、望の入院は希の体調不良を引き起こすから。
一緒にお泊りが多いんです。
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作者名：mio
| 作成日時：2018年2月4日 23時
