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「智先生、そんなもの
何処から持ってきたんですか？」
「ん〜？
ちょっとそこから借りてきたの〜」
驚いた看護師の声と、いつものことながらのんびりとした口調の智の声が廊下に響く。
「あっ、帰ってきた。
ほらね、翔兄。俺の予想通り」
病室に戻った智の手元には、雅紀の予想通りに大きなベッド。
「・・・智兄？
そのベッドって、さ・・・。」
「ん？しょー君の所のだよ。
翔君の名前言ったら、
医局に居た先生が
どうぞって快く貸してくれたの。」
「今の時間の医局に居る奴って・・・
研修医じゃねーか！！」
「わぉ。
そりゃ小児科の医局長が直々に
心臓外科の医局長の名前を出したら
研修医なんて一発だろーね。
怖かっただろーな、研修医くん。」
「あーもうっ！！
しかもそれ、ダブルベッド！！
VIPルームのでしょ！？
俺が看護師長に怒られるじゃん！！」
「心臓外科の看護師長さん、
怖いもんね〜。」
「智兄？
怒られる時はあなたもだからね？」
「えぇ〜・・・。
酷いな翔君・・・。」
「ねぇねぇ、兄貴たち？
その話、長くなる？
早く２人を大きなベッドに
移してあげたいんだけど・・・？」
「あっ・・・。ごめんよ〜。
ほら、翔君のせいで雅紀に怒られた。」
「いやいや、元はと言えば
智兄のせいでしょ！？」
「もーっ！！
どーでもいいよ！！
ほら早くっ！！」
雅紀に急かされて、希と望をようやく移動させる事になった。
「希？
ベッドこのままじゃ狭いから、
大きい方に代ろうな。」
先ずは点滴やモニター等なにも付いてなくて、移動の簡単な希から。
「ん〜・・・やぁだっ・・・」
いまいち状況が理解できていないのか、また望と離れてしまうと思ったのだろう。
希は望にべったり。
目の前で倒れたところを見てしまっているから、希の心のダメージもそれなりに大きかったのだろう。
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作者名：mio
| 作成日時：2018年2月4日 23時
