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収容室で ページ14

ニッコリ微笑み手を差し出してきた彼の手を思わず握る。

『はい、よろしくお願いします。』

取「それにしても可憐で素敵なお嬢さんだね?声も姿もとても魅力的だ。名前はなんて言うんだい?」

『は...A...です....!』

スラスラと並べられる口説き文句に思わず顔が赤くなる。いきなり何を言うんだこの人は...!

取「そうか。A...。良い名前だね。君によく合っているよ。」

『えと....あ、ありがとう....ございます....?』

ペ「....。035、Aを口説くのはそこら辺にしておけ。」

先生が呆れたような声をあげる。その後ろからも怒ったような声が聞こえる。

彫「おい!お前...!Aに変なこと言うなよ!Aは僕のッッ.....とにかく!やめろ!」

いーくんはかなり焦っている様子で怒っているが、035はそれに対して仮面の端から黒い腐食液を滴らせながら何かを察したように笑っている。

取「君は、例の彫刻じゃないか。一体いつから話せるようになったんだ?」

彫「は....?あ、確かに。シャイガイはともかくなんでお前らにも僕の声が....。」

言われてみればいーくんは先生や035達とも普通に会話している。いーくんに話す能力は無かったはずだ。

取「なるほどね。A。君にはまだ自分で気づいていない力があるみたいだ。」

『え、私の力...ですか?』

ペ「まぁ普通に考えるとそうだろう。私も035も173の声を聞いたのは初めてだ。」

035も先生も興味深そうに私のことを見つめている。
やがて、先生が私から目を離すと残念そうにため息をつく。

ペ「はぁ...。折角Aに会えたのにここで別行動とは本当に惜しいな。」

取「私も君についてもっと知りたいことが沢山あるが...。此処はひとまず別れるとしよう。きっとまた会うことになるさ、それでは。可憐なお嬢さん。」

そう035が言い、最後に私の頭をもう一度撫でると先生と一緒に制御室から出ていってしまった。なんだかすごく不思議な人だったな...。何故か心が動かされているような気分に底知れぬ恐怖を少し感じた。

彫「やーっと言ったよ!アイツら!A大丈夫?彼奴が君の髪に触れたことだけでも腹立たしいけど、他に何もされてないよね!」

『うん。大丈夫だよいーくん。心配してくれてありがとう。』

早口でまくし立てるいーくんをなだめてから彼の存在にやはり安心する事を実感する。3人だけになった制御室で私たちはまた少し、休を休めることにした。



今日はやけに筆が進んだので三本更新してみました(作者)

終わり ログインすれば
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シバチャ(プロフ) - 最高です!! (2021年4月18日 19時) (レス) id: 4782804342 (このIDを非表示/違反報告)
煮物 - 面白いです!!続きお願いします! (2020年3月9日 16時) (レス) id: a01bcb1263 (このIDを非表示/違反報告)
ラテ - 面白いですね!これからも更新頑張ってください (2019年10月12日 1時) (レス) id: 816b195a2d (このIDを非表示/違反報告)
siomizu - とても面白いです!更新頑張ってください (2019年10月9日 16時) (レス) id: 8e14a7973d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:小灰蝶 | 作成日時:2019年7月2日 22時

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