第百九十二話 ページ43
パチン、パチン、と静かな空間にひたすらホチキスを留める音が響く。最初はもたついていたけど、だんだん慣れてきて手際が良くなってきた。
部屋に鳴り響くホチキスの音も少しテンポよくなってきている。
「……そういえば」
「ぅん？」
パソコンから顔をあげた先生が私に視線を寄こす。
私は先生の反対側に座っているのでお互い向き合っている。パソコンを扱っているため、眼鏡バージョンの先生だ。珍しくていい感じ。
「千佳に私たちいつもこの部屋でいちゃついてると思われてますよ」
「はぁ？ お前知崎とどういう話してんだよ……」
「実は本当にパシられてるって言ったらすごい真顔で「え？」って聞き返されました。よっぽどの反応ですよ、あれ」
実はも何もないけど、先生に何かしら用事とともに指導室へ呼ばれたときは本当にその用事しかしてない。何一つとして疚しいことは起きてないのである。びっくりだよね。
「へぇ、なんだよお前何か期待してたのか。そりゃあ悪いことしたなぁ」
「お賃金はいつだって期待してるので、悪いことしてると思ったらバイト代払ってください」
「……お前は可愛さを母親の腹に置いてきたのか？」
にやにやと人が悪そうな笑みを浮かべながら先生がそう言ってきたので、真顔で返してやれば同じような真顔が返ってきた。
いやだって毎度毎度こんな雑用やらされてるんだよ？流石にそろそろ時給発生してもいいでしょ。
「ったくしょうがねぇな……もう大分片付いたろ、今日はこれくらいにして帰るぞ。アイス奢ってやる」
「わーいダッツだ」
「……いいけどよ」
苦笑した先生は私の髪の毛を撫で乱したあと、最寄りのコンビニで本当にアイスを買ってくれた。たまには我儘も言ってみるもんだ。コンビニスイーツ最高。
その後先生は送ってくれると言うので、私は大人しくその好意に甘えることにする。まぁアイス買ってくれたし。
「今週末出かけようぜ」
「ふぁ？ ……急ですね、いいですけど」
「おし、じゃあ土曜10時な。お前ん家迎えに行くから」
「何かプランあるんですか？」
「ねぇよ。テキトーにぶらついて店入ろうぜ」
「それはそれで楽しそう」
ふふ、と笑ってアイスを頬張る。12月に食べるアイスのなんとおいしいことか。
そしてそのアイスが食べ終わるころにちょうど、私の家が見えてきた。
「じゃあな、また明日」
「はい、せんせ――っ」
額にちゅ、と唇が落とされて、至近距離でイケメンがにやりと笑う。
「……淫行教師」
「やめろそれ」
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始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - ステラさん» うわー嬉しいです！幸せだと言ってもらえることこそが幸せです！本当に励みになります！本当にありがとうございます！！ (2022年2月5日 23時) (
レス) id: 5d704cea99 (このIDを非表示/違反報告)
ステラ - 面白すぎて最近読み始めたのにもうここまできちゃいました！！！めちゃくちゃドキドキしてます！！素敵なものが読めて幸せです！ (2022年2月2日 23時) (レス) id: 3475edfef8 (このIDを非表示/違反報告)
始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - 彩華さん» ツボ！！！！！うれしい！！！！！！更新遅くて本当に申し訳ございません。励みになります。頑張って更新します〜！！ (2021年11月20日 18時) (レス) id: aebfacbb01 (このIDを非表示/違反報告)
始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - Amamiyaさん» ありがとうございます！亀更新にもほどがありますが、完結させず放置することは絶対ございませんので、たまに覗きにきてやってください…！応援、励みになります！ (2021年11月20日 18時) (レス) id: aebfacbb01 (このIDを非表示/違反報告)
彩華 - やばい。ツボすぎます！一気読みしちゃいました！更新頑張ってください！ (2021年4月1日 22時) (レス) id: da4daeacca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：∧∧ﾈｺﾐﾐ∧∧ | 作者ホームページ：
作成日時：2019年5月19日 17時
