第百七話 ページ8
「ゆっくりで大丈夫ですよ〜」
「ん、ぅ……」
包帯だらけの足を何とか前へ進める。歩き方はちゃんと脳で体で意識で覚えているのに、痛みがそれを上回ってすべてを拒絶する。
あれからしばらく経って、ようやく包帯の量が減ってきた。座ったままのリハビリから実際につっかえ棒や手すりを使ってのリハビリメニューに変わり、本格的に復帰に向けての治療的訓練を始めている。
もう大体回復したといっていいだろう。傷は残るけども、傷口はきれいにふさがりひびが入っていた骨ももうほとんど元通りだ。あとは安静にしていれば数日から数週間のうちに退院できるらしい。暁は「入院費がバカみたいな値段しやがる」と早く退院しろと催促してくる。
「はい、お疲れさまでした！」
「今日もありがとうございました」
「ベッドの上で寝てばかりじゃ筋肉が衰弱してしまいますからね」
「そうですね、少し力が入らない感覚みたいなのはするかもです……回復したとは言っても、まだしばらくは以前みたいに走れないです」
「安静にしててもらわないと困りますよ〜」
理学療法士のお姉さんが私の体を支えて車椅子に連れて行ってくれる。一応杖で歩けるようになったとはいえ、階移動などもあるので一応、とまだ車椅子にお世話になっているのだ。
だけど明日明後日にでも杖で病院内を行き来してもよくなるらしい。
「邦月さん、今日もお友達は遊びに来てくれるんですか？」
「はい、放課後に寄ってくれるらしいです」
「いいですね〜、にぎやかで。 高校生でしたよね？」
「高校一年生です」
「うわあ青春だなぁ！」
入院直後からお世話になっている療法士のお姉さんは、外見年齢だと20から25あたりに見える。確かに彼女からしたら懐かしい青臭い思い出だろう、高校生というのは。
彼女の高校の思い出話に耳を傾けうんうん、と相槌を打つ。
「その時バスケ部の先輩に恋してたんですけど、彼女できちゃったんですよね〜」
「それは残念ですね……」
「しかもよりによってマネージャーと！ 勝ち目がないから早々にあきらめちゃいました」
「あはは、なんだかありがちでよく聞く話みたいですね。小説とかによくある」
「そうなんですよね……邦月さんは？ 彼氏さんとか！」
「えっ」
あまりに唐突のことで、しかもこのような話を振られるとは思わず、つい固まってしまう。
「いっいないですよ！」
「えー、じゃあ好きな人とか！」
「いませんって！」
「花盛りの女の子でしょー！ もっと恋しないと！」
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始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - みっちゃんさん» ありがとうございます！これからもバンバン頑張ります！一気に読んでくださってうれしい…これからも何卒よろしくお願いいたします！！ (2019年5月11日 19時) (
レス) id: 6c149362e0 (このIDを非表示/違反報告)
みっちゃん - このお話大好きです！一気に読んだんですけどすっごい楽しいです！これからも頑張ってください！ (2019年4月4日 2時) (レス) id: b4edfa4067 (このIDを非表示/違反報告)
始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - あだ名がンゴって…さん» うわー！ありがとうございます！そういっていただけただけですごくうれしいです。コメント励みになります。これからも頑張らせていただきます！ (2019年4月1日 21時) (レス) id: 6c149362e0 (このIDを非表示/違反報告)
あだ名がンゴって… - 初コメ失礼します。あなたの文才、ください（切実）めっっっっちゃ好きですもうなんなんですか大好きです。更新頑張ってください！！！ (2019年3月31日 11時) (レス) id: d0cbd630d9 (このIDを非表示/違反報告)
始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - セツナさん» うっありがとうございます（泣）尊敬に値するようにもっと文才磨きます！ゆっくり亀さんに呪われていますが頑張って更新させていただきます！ (2019年1月9日 22時) (レス) id: 6c149362e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：∧∧ﾈｺﾐﾐ∧∧ | 作者ホームページ：
作成日時：2017年6月25日 13時
