第百十四話 ページ15
「えいごぶ」
「うん、この学校にそれなかったでしょ！」
「ないねぇ」
「顧問はもちろんたっくん先生で！」
そうくるとは思っていたが。
「部員は最低四人だよ」
「四人いるじゃん」
千佳の指が私、自分、樹、和樹くんと数えていく。
まじか。
「二人はそれでいいの……？」
「おう、俺は別に構わん！」
構えよ。
和樹くんの方をちらりとみれば、こちらもにっこりと微笑んでいる。
「俺、留学を視野にいれてるんだ」
「へぇ！」
意外。そういえば、もう高校二年生。そろそろ大学進学だ。
かくいう私も、できれば外国語が発達している大学か留学か、と思ってはいたが、この学校の中でそれを考えているのは私だけだと思っていた。
「実は私もそう思ってたんだよね……留学してみたい」
「そうでしょ！？ だからちょうどいいじゃん、英語部！」
そう言って私のテーブルに千佳が叩きつけたのは設立許可願い。
ひらりと舞うその紙を見て、私は小さくため息をつく。
「あの先生の人気さからすると、多分入部希望者殺到するよ」
「英語に関して本気な人しか募集してないから！ 入部テストみたいなのを受けてもらって数を減らすよ」
「千佳も本気じゃないでしょ……」
そういうと、千佳は笑顔のまま自分の席に戻る。そして席にかけてあったカバンの中から、青い表紙の太い本を取り出して戻ってきた。
その表紙に書かれていた本の名前に、私は目を見開く。有名な英語検定の試験の名前だ。
顔を上げて千佳を見てみれば、照れくさそうに笑っている。あの、勉強嫌いの千佳が。
「笹塚先生の教え方がよくて、英語最近すごく楽しくて……」
「俺も、いろんな言語喋れて損はないかなぁって思って」
「そう、日本の英語教育は衰退してるからね。せっかく外国から来た先生がいるなら有効活用しないと！」
三人の笑顔を見て、私は俯いて息を吐いた。
そんなに勉強意欲を見せつけられては、委員長の私としてはみんなを後押ししないわけにはいかない。
「それ、先生に言えばきっと喜ぶよ」
「うん！ それで、笹塚先生に話つけてくれないかなぁって思って」
「え、まだ言ってないの？」
「おう、姉御が一番先生と仲良いし、一番承諾得やすいかなって思って」
……仲良いかはさておき、承諾得やすいことは否定はしないが。
私の席に集まりニコニコと笑う三人、テーブルの上に置かれている英語検定の問題文集と設立許可願い。
しょうがない、姉御が一肌脱ぐか。
「今日中に承諾もらってくる」
「さすが姉御！」
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始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - みっちゃんさん» ありがとうございます！これからもバンバン頑張ります！一気に読んでくださってうれしい…これからも何卒よろしくお願いいたします！！ (2019年5月11日 19時) (
レス) id: 6c149362e0 (このIDを非表示/違反報告)
みっちゃん - このお話大好きです！一気に読んだんですけどすっごい楽しいです！これからも頑張ってください！ (2019年4月4日 2時) (レス) id: b4edfa4067 (このIDを非表示/違反報告)
始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - あだ名がンゴって…さん» うわー！ありがとうございます！そういっていただけただけですごくうれしいです。コメント励みになります。これからも頑張らせていただきます！ (2019年4月1日 21時) (レス) id: 6c149362e0 (このIDを非表示/違反報告)
あだ名がンゴって… - 初コメ失礼します。あなたの文才、ください（切実）めっっっっちゃ好きですもうなんなんですか大好きです。更新頑張ってください！！！ (2019年3月31日 11時) (レス) id: d0cbd630d9 (このIDを非表示/違反報告)
始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - セツナさん» うっありがとうございます（泣）尊敬に値するようにもっと文才磨きます！ゆっくり亀さんに呪われていますが頑張って更新させていただきます！ (2019年1月9日 22時) (レス) id: 6c149362e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：∧∧ﾈｺﾐﾐ∧∧ | 作者ホームページ：
作成日時：2017年6月25日 13時
