第百十三話 ページ14
「……ご迷惑をおかけしました」
ぽそり、と彼にしか聞こえない声。
ふ、と隣で笑う声がしていきなり頭に衝撃。ぐりぐりとまるで首の体操でもさせるかのように強い力で撫でまわされてる。
「俺、担任っぽかっただろ？」
「はい、初めて担任っぽいことをしましたね」
「おま……さっきあの先生に言った言葉撤回してもいいんだぞ」
可愛くねー、とぶつくさ言われるが無視だ無視。
いまだに扱いが慣れない松葉杖が床を叩く音が壁を反射して廊下中に響き渡る。
授業開始2分前だというのに、廊下にはまだ生徒がまだらにたむろっては先生に黄色い声援をあげ、そして先生はアイドルかのように微笑みながら手を振る。
ちなみにその隣にいる私、松葉杖をついているせいもあってかなり見られてる。見ないでほしい。
自分らの教室にたどり着き、先生が開けてくれた扉の中へと入る。
「ありがとうございます」
「おう、じゃあ、またあとでな邦月」
「はい」
授業でもあるのだろうか、先生はそのまま歩き続けた。
だけど先生の行く先を確認できる前に、次の授業の先生が来てしまい、私はあきらめて席に着き、授業を受けた。
***
「奏音ー！ 今日放課後ファミレスね！」
名前を呼ばれて顔を挙げれば、樹の席に集まってる千佳が大きく手をぶんぶんしながら叫んできた。
おっけー、と人差し指と親指で承諾の合図を送る。樹の隣に座っている和樹くんと目が合って、にこりと微笑み合う。
あの三人は私の入院があって随分仲良くなったな。もともとクラスメイトとして仲は悪くなかったけど。ま、人間きっかけさえあればどこからも友情は芽生えるものだ。
暁にLINEで今日は遅くなる旨を伝えたら秒で既読がついて、すぐに「薄情者」と短い返信が来た。
なんだと。
ぐい、と大きく背伸びをして窓際を見る。綺麗な青空だ。こんな綺麗な青空の日は、家にこもって昼寝がしたいものである。
そう思いながら私は教科書をぱたりと閉じた。
「よし、休んでた間の遅れ取り戻した」
「はっや」
「さっすが奏音〜」
いつの間にか私の隣に立っていた千佳たち三人。
「あ、和樹くん、ノートありがとうね」
「どういたしまして！ ちゃんと役に立った？」
「うん、すごく！」
それはよかった、と笑う和樹くん。
運動はしないのに動きや声音からあふれ出るさわやかな雰囲気は、本当に友人として重宝したいものだ。
「でね、私思ってたんだけど！」
千佳の前置き。嫌な予感。
「英語部作ろうよ！」
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始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - みっちゃんさん» ありがとうございます！これからもバンバン頑張ります！一気に読んでくださってうれしい…これからも何卒よろしくお願いいたします！！ (2019年5月11日 19時) (
レス) id: 6c149362e0 (このIDを非表示/違反報告)
みっちゃん - このお話大好きです！一気に読んだんですけどすっごい楽しいです！これからも頑張ってください！ (2019年4月4日 2時) (レス) id: b4edfa4067 (このIDを非表示/違反報告)
始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - あだ名がンゴって…さん» うわー！ありがとうございます！そういっていただけただけですごくうれしいです。コメント励みになります。これからも頑張らせていただきます！ (2019年4月1日 21時) (レス) id: 6c149362e0 (このIDを非表示/違反報告)
あだ名がンゴって… - 初コメ失礼します。あなたの文才、ください（切実）めっっっっちゃ好きですもうなんなんですか大好きです。更新頑張ってください！！！ (2019年3月31日 11時) (レス) id: d0cbd630d9 (このIDを非表示/違反報告)
始まりの神:トワイライト・ジェネシス(プロフ) - セツナさん» うっありがとうございます（泣）尊敬に値するようにもっと文才磨きます！ゆっくり亀さんに呪われていますが頑張って更新させていただきます！ (2019年1月9日 22時) (レス) id: 6c149362e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：∧∧ﾈｺﾐﾐ∧∧ | 作者ホームページ：
作成日時：2017年6月25日 13時
