玉狛のお姫様はボーダー最強 10 (ページ11)

今日:5 hit、昨日:3 hit、合計:36,651 hit

449 ページ11

〜A〜

会場に戻らないと行けないのに動きたい気分じゃない

近くのコンビニでアイスを買って食べてると真史さんや修くん達から、かわるがわる電話がかかってきた

アイス食べるのに忙しいし気付かないフリしよ

三河｢出なくていいの｣

ついに幻を視るようになってしまった

裏を返せばそれだけ好きってことなんだけど

幻には触れられない

それがもどかしくて辛くて苦しくて

｢早く帰ってこないかな｣

会いたい

1人にしないで

側を離れないで

息が苦しいんだ

三河さんがいないと私は1人ぼっちなんだよ

三河『愛せないけど、多分………少しぐらいなら、大丈夫だと思う』

その少しが欲しい

愛されたい

他の誰かじゃない。三河さんがいい

まだ半分も食べてないアイスは溶けて地面に落ちた

泣いてしまうのはアイスが落ちたからか、寂しいからか、私にも分からない

約束のない“またね”は“別れ”にも似ている

三河さんの｢行ってきます｣はどのくらいの時間を指すのだろう

1年 5年 10年

もしかしたらもっと早いのかもしれないし、遅いかもしれない

｢戻らなきゃ｣

着信が50件を超えるとさすがにヤバい

言い訳を考えないと

･

会場に戻るとスポンサーの人達はいなくなってた

どこ行ったんだろ

忍田｢お前がどこに行ってたんだ。イベントなら30分も前に終わった｣

｢そうなんだ。え、時間飛んだ？｣

忍田｢飛んでない｣

そんな長い時間ベンチに座ってたんだ

時間の無駄遣い

忍田｢どこにいたんだ！｣

｢ん〜……太陽の暑さにやられてた？｣

忍田｢本当か｣

｢本当だよ｣

忍田｢遊真くん。今の発言は本当だったか｣

遊真｢いや。Aもつまんない嘘つくね｣

｢遊真くーん。そこはバラしちゃダメだよ。嘘も方便って言葉あるでしょ？｣

遊真｢む、そうか。では次から気を付ける｣

迅｢気を付けなくていいんだよ｣

太刀川｢俺らがどんだけ心配したと思ってんだよ｣

嵐山｢せめて電話には出てくれ｣

｢考え事してる時は………1人になりたい主義なので｣

龍希｢泣いたのか｣

｢………。スポンサーはみんな帰ったんじゃないの｣

龍希｢お前に話しがあるんだよ。これは何だ｣

目の前に突き出されたのはとある週刊誌でそのページには“ネイバーの世界へ！！”と、デカデカと書かれていた