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〜A〜
三河さんがお昼に外出るなんて珍しい
お義兄さんに無理やり連れて来られたのかな
それでも意外
どうやって連れて来たんだろ
三河「たかだかご飯行くのに頭下げられると哀れに思っただけだよ」
真司「そうでもしないも来てくれないでしょ」
三河「まぁね」
林藤「(社長が頭下げなきゃ飯行かない部下ってどうなんだ)」
三河「はぁ……」
うわー。三河さん帰りたそう
私は外で、こうして三河さんに会えるのは嬉しいけど、三河さんは違うのかな
同じ
帰ると口にしないのは、私と同じ
「席こっちだよ」
私から手を掴めば拒むことも、離すこともしない
それが“逃げ”だと知っているのに、私はこの人を巻き込んでいく
独りで……独りがいいと言ったこの人を
三河さんは大人しく席に着いてくれた
「相席だけどいい?」
三河「嫌って言ったらこの人達どっか行く?」
「行かない」
三河「じゃあいいよ」
三河さん お義兄さん 本部長様 城戸さん ボス
この席面白い!!
「何にする?」
先に三河さんにメニューを渡した
けど三河さんはそんな物には目もくれず、首の隠れたハイネックに指をかけた
真司「みか「まだ付けてるんだ」
本部長様が約束を思い出したところでストレスがなくなったわけじゃない
分かってしまったから
本部長様は私のことを一番に考えてくれながら、私を見ていない事に
それがあまりにも虚しくて寂しいと知ってしまった
三河「僕はコーヒーだけでいいよ」
「ご飯は?」
三河「いいよ。もう食べたから」
「あれは飲むだよ」
三河「まぁ口にすれば表現はどっちでもいいけど」
「じゃあ飲むで」
三河「食べる」
「どっちでもいいって言ったじゃん」
三河「Aだって、どっちでもいいって思ってるわりにこだわるよね」
「心読むのはズルい」
三河「読めない読めない。心なんて」
その否定の仕方はまるで、
そう言ってるように聞こえた
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作者名:まゆ | 作成日時:2018年12月23日 15時