玉狛のお姫様はボーダー最強 6 (ページ4)

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～忍田～

真司｢そういやさ、さっきから気になってたんだけど、本部長様って何？」

｢忍田本部長だから、本部長様」

真司｢お前それ……ちゃんと許可取ってんのか？」

｢もちろん！」
忍田｢嘘をつくな」

｢考え方(あたま)固いよね。本部長様は」

忍田｢だからやめてくれ。その呼び方」

真司｢俺さ、お前は天邪鬼なんだと思ってた。でも違ったわ。ただのドSじゃねぇか」

｢違うもん。そりゃ人(本部長様)の困った顔見るのは好きだけど」

真司｢それを世間ではドSって言うんだよ」

昔は人の嫌がることはしない良い子だったんだが

あの男が現れてからAが代わった

真司｢A。ちょっと水貰ってきてくんね」

｢えー何で」

真司「お前が入り口に近いから」

｢あ、そっか」

命令されるのは嫌だが、理にかなっていればいいのか

Aが席を外すと真司くんは悩みながらも口を開いた

真司｢言うのも言わないのもフェアじゃない気がするけど、このままだとラチが明かない

三河さ……如月さんの家も桧谷と同じで、あの人は"如月の名を継げなかった”んです」

それは昔、蓮矢が言っていた

桧谷と同じで桧谷と違う

上辺だけ仲の良い敵対関係の財閥があると

道理で聞き覚えのある名前だ

あの人は……あの男は、私とAが出会う前から既に顔見知りだった

同じく、跡取りになるかもしれない者同士交流もあったはず

これで"私にだけ”の意味(謎)が解けた

忍田｢真司くん。ありがとう」

真司｢いえ……ただ……」

忍田｢分かっている。Aが話すまで知らないフリをするんだろう」

真司｢お願いします」

財閥の裏事情なんて我々が思っている以上に泥沼なのかもしれない

私が蓮矢の友人だからこそ、敵対する彼の素性を知られたくなかった

子供ながらに我慢させるのは私も変わっていない

もうA1人に背負わせるなんてしたくない

自己満足(エゴ)でかまわない

Aを独りにするのはやめよう