玉狛のお姫様はボーダー最強 6 (ページ22)

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～忍田～

あの男がAの手を握ったとき、なぜその役目が自分じゃないのだろうと思った

Aがこの店に選んだ(きた)理由はメニューを開いてすぐに分かった

だから注文したが、Aはそれが気に食わないのか自分で注文し直した

Aはどんなに話しかけてもこちらを見もしない

目の前の東も無視し、ずっとあの男と話しをしている

三河｢Aはどうしてボーダーに入ったの？」

その質問はAにとってタブーの一つ

答えるものか

でもAは少し考えて(悩んで)贖罪と答えた

ずっと罪の意識を感じさせていたのか

あの2人が死んだのは我々ボーダーに力がなかったからだ

Aのせいじゃない

帰り際ようやく(はじめて)目が合った

私は…………俺は、その目を知っていた

もういいと、全てを諦め、心が……死んだ目

忍田｢悪い東。これで会計頼む」

東｢財布ごと渡されても……」

太刀川｢いいじゃん。どうせ忍田さんの奢りなんだし」

話しがしたいを理由に追いかけたわけじゃない

一番の理由としてはあの男と一緒にいて欲しくなかった

腕を掴むと驚きながらも俺を見てくれた

ここでちゃんと話さないと一生、Aとすれ違ったまま生きていくことになる

それだけは嫌なんだ

｢これだけ街に被害もたらされているのにお酒飲めるなんて余裕ですね。流石です。さすがはボーダー様！！」

本部長様の次はボーダー様か

とことん嫌な呼び名をしてくる

忍田｢頼むから話しがしたいんだ」

｢何の話しですか！？お話しすることはありません」

忍田｢なら一方的に話すから聞いてくれ！！」

｢嫌です！！」

こんな言い争いがしたいわけじゃないのに

うまく伝わらない伝えらない

伝えるというのはこんなにも、難しいことなのか

三河｢ねぇA。その人の家泊まる？」

｢絶対嫌っ！！何で見ず知らずの人の家に」

三河｢思い出したって言ってなかった？」

｢それはこの人が、ボーダーの人って意味で知り合いじゃないの！ということで離して下さい」

この手を離せば俺はAを見捨てたことになる

また独りで泣かせてしまう

｢離してよ！！ほんっと何なの！？今更！約束破って太刀川さん優先したくせに！！」

忍田｢それが分からないから教えて欲しいんだ！！」

｢それはもういいって言ってるじゃん！言ったってどうせ分かんないんだから」