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ーとある寒い日ー
〜唐沢〜
城戸｢忍田本部長はまだか」
根付｢遅刻なんて珍しいですね」
鬼怒田｢どうせあの娘のせいだろう」
被害者なのに悪く言われるな
彼女だって好きでボーダーにいるわけじゃないのに
忍田｢遅れました」
鬼怒田｢遅いぞ全く」
忍田｢本当に寝てなくて大丈夫か？」
｢んー……」
忍田本部長の腕から降ろされた彼女は、マスクをして室内なのにマフラーと手袋をして、さらには着ぶくれするほどセーターの下にシャツを着込んでいた
雪だるまみたいで可愛い
かなりの重症だな。俺も
忍田本部長は席に着く前に暖房の温度を一気に6度も上げた
さすがに34度は暑い
忍田｢A。これで寒くないか？」
｢ん！！」
忍田｢本当か？寒かったらちゃんと言うんだぞ」
彼女は極度の寒がりなのか？
今日は0度と特別寒いが
顔が赤いな。息もちょっと乱れてる
風邪を引いているんだ
なるほど。そういうことか
看病のために部屋から出ない忍田本部長をここに連れ出すためにあんな格好で……
健気というか、無鉄砲というか
忍田本部長の膝の上に座り、しがみつくように服を握ってる
忍田｢やっぱり辛いんだろ？部屋に戻ろう？」
｢んー…やー」
沢村｢忍田本部長。お粥持ってきました。では私はこれで」
忍田｢ありがとう。ほらA。食べれるか？｣
｢んーん」
忍田｢一口でいいんだ。薬も飲まないといけないだろ？」
｢やー！！」
彼女もう10歳だよな？
2歳児のように駄々をこねてるな
今まで甘えることができなかった分、熱で弱ってるからいつもより甘えてるんだ
忍田｢じゃあ何だったら食べられるんだ？」
｢おむらーす。フワフワの」
忍田｢いや……そっちのほうが無理だろ」
オムライスならあの店がいいかな
でもあそこは半熟が売りだから期待には添えてない
食欲があるのかないのか分からないけど、ゼリーとかならどうだろ
たしか貰い物があったはず
城戸｢……ん。唐沢くん。スポンサーはどうだ」
唐沢｢え……あぁ…名乗りを上げてくれる企業がある反面、手を引かれるほうが多いですね」
根付｢大丈夫なんですかそれ。市民への賠償のこともありますし、なるべく繋いでおいてもらわないと」
唐沢｢大丈夫でしょう。いざとなったら桧谷がいますから」
根付｢桧谷？」
唐沢｢ええ。ボーダーに彼女がいる限り金の宛はある」
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作者名：まゆ
| 作成日時：2019年2月7日 15時
