だっておにいちゃんだもん【男主】

一叶と左馬刻 ページ9

一叶side

今日はなんだが調子が悪い

おじさんのお弁当が朝間に合わなくて、お昼休憩までに届けないといけない
でも、バイト行かなきゃいけないし、買ったものを届けたりなんかしたら何されるか分からない

お弁当屋さんのおじさんたちにその話をしてお弁当作るために早く帰らせて貰えないか聞いたら、お店のお惣菜をお弁当箱につめてくれました
なんて優しいんだ、早くおじさんのところに届けに行かなきゃ!!




けど、やっぱり一叶はダメダメで、おじさんの気分を害してしまったみたい
会社のあるビルから少し離れた暗い道でおじさんに怒られています


『ごめんなさっ!!』

「うるさい!!お前はどうしてこんなに要領が悪いんだ!!出来損ない!!」

『ごめんなさい、痛いよおじさん、』

「泣くな、誰のおかげで生きていられると思ってんだ!!」


おじさんに蹴られている所が痛い
これも全部一叶が悪いのかな…
蹴られるのも殴られるのも全部一叶がわるいんだ。
おじさんが怒ってるのも全部一叶のせい…


？「おい、いい年したおっさんがガキいじめてんじゃねぇよ」

「あ？なんだよ…」

左馬刻「あ？左馬刻様だよ、てめぇここが誰のシマかわかってんだろうなぁ」

「っ、」

左馬刻「今すぐ失せろ、それか豚箱行くか？」


なんかよく分かんないけど、白い綺麗な人が来た
涙でよく見えなかったけど、気づいたらおじさんはいなかった

早くお礼言わなきゃ、早くしないとこの人も気分悪くしちゃう
どうしようどうしよう、体が動かない…


左馬刻「お前名前は？」

『い、ちか』

左馬刻「いちか。手当してやるからうちに来い」

『だぃじょ、ぶ。なので、』

左馬刻「だいじょばねぇだろ」


そう言うと白い人は一叶を抱えて車に乗せてくれた
このまま殺されたりしたらどうしよう、助けてくれた人に失礼だけど…
あ、カフェの店長に電話しなきゃ、アルバイト遅れちゃう…


左馬刻「お前、あのおっさんとどういう関係なんだ？」

『一叶がわるいです。お弁当作るの遅くなっちゃったし、なんかわかんないけど怒らせちゃって…一叶が全部悪いです』

左馬刻「で、どういう関係？親父なの？」

『いや、しんせき？の人です』

左馬刻「まぁ関係ねぇけどさ、お前が全部悪いなんてことは多分ねぇだろ。とりあえず手当は終わったから気をつけて帰りな」

『ありがとうございます、白いお兄さん』

左馬刻「…左馬刻な。またあのおっさんに怪我させられたら連絡しろ」

『…さまときさん。わかりました。ありがとうございした』


さまときさん
とっても優しい人で良かったです
一叶なんかには勿体ない

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