初恋53日目 ページ4
一郎side
最近Aがご飯を食べなくなった
体調が悪いわけではなさそうだけど心配だ
晩飯をうちで食わなくなってすごく静かになった
昔に戻っただけなんだけど寂しい感じがする
「いち兄、A兄のことで相談が…」
「あ?なんで三郎がAの相談するんだよ!!」
「うるさいぞ低脳。A兄、最近おかしいと思いませんか?」
「そうだな、俺も気になってたんだ…二郎、なんか聞いてねぇか?」
「…なんも。でも、まじで飯食ってないらしくて時々フラフラしてるんだよ。友達も心配しててさ何かと食わせようとはしてるんだけど…」
「…なんでだろうなぁ」
「…僕のクラスの女子も時々断食みたいなのしてます。ダイエットって言ってますけど、A兄ももしかして」
「Aに限ってダイエットはねぇだろ、太ってもねぇしなんならガリガリだぞ?」
「これだから低脳は…太ってるから痩せるんじゃなくて、増えたから痩せるってのが乙女心ってもんなんだよ!!そんなこともわかんないようじゃ、A兄から捨てられるのも時間の問題なんじゃないのか?」
「うっせぇなぁ!!関係ねぇだろ!!乙女心っつってもAは男なんだから乙女心なんてねぇだろ!!」
「はっ、だからお前はモテないんだよ!!精々A兄に飽きられないように努力するんだな!!」
「お前らいい加減にしろ!!確かにダイエットって可能性はあるなぁ…話を聞いてみるか…」
Aが帰ってきたのは夜の9時頃
お弁当箱を自分で洗ってそそくさと風呂に入る
Aを追いかけてAの部屋で話を聞くことにした
「A、ちょっといいか?」
『な、なんですか、お兄ちゃん?』
「おにぎり、食わねぇか?」
『…ぁ、夜食べてきちゃったので』
「そうか、…単刀直入に聞くけど、Aは今ダイエットしてるのか?」
『うっ、はい…』
「なんでだ?必要ないと思うんだけどな」
『でも、少しでも細い方が…』
「二郎がそういったのか?」
『…違うけど』
「二郎も心配してたぞ。Aは今のままで十分可愛いし、二郎だって今のAが好きだと思うぞ。1回確認してみるか?」
『…』
バタンッ
「っ、A!!ダイエットなんてっ、やめて、おれ、Aと、ごはん、たべたいっ」
『二郎くん…』
「なんだそのセリフっ、お前ほんとに乙女心掴むのヘッタクソだなぁ」
「にいちゃん、なにいってんのっ」
二郎の泣きながらの訴えによりAの絶食ダイエットは終わった
ただ、二郎にはもう少し胸きゅんワード的なものを学んで欲しいと思った…
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作者名:なるみ | 作成日時:2020年2月18日 14時