１１６: 弱虫 ページ16
凛「王さまに去年の事を話したら、もう側に居てくれなくなるって思ってるんじゃないの？Aはそれが怖いだけなんでしょ」
「っ違う！」
凛「違わないっ、いつまでも逃げるなよこの弱虫！その為なら王さまが苦しんでも良いって言うの！？」
「そんな訳ないだろ！だけど俺の意思関係なく、話したってどうせ苦しむんだから同じなんだよ！」
凛「ッこの…」
胸倉を掴む手にぎゅっと力が入り、やばいと悟ってその腕を掴み返した瞬間、視界の端に別の手が映った。
衣「やめろ！」
凛「離してッ…！」
嵐「ここは教室よ、一度落ち着きなさい！」
「っ…！」
嵐に羽交い締めにされ、パッと力が抜ける。呼吸がしやすくなって、自分の気分がどれだけ高揚していたのかが分かった。
荒い呼吸を整えて、嵐に離すよう催促する。
解放されると、続けて凛月も真緒から放された。赤い瞳が怒りの色を含んで細められる。
凛「このままじゃ、王さまが不憫すぎる」
「分かってる」
凛「俺たちだって王さまを守りたいんだよ。その為に今必要なのは話すことなんだよ…」
返事をせずに俯いて、その場を駆け出した。
引き止める声が聞こえたけど、そんなの気にせずに。
一回整えたはずの呼吸がまた荒くなっていく。
ーーー
木に背中を預けてしゃがみ込んだ。息を整えながら、回らない頭を何とか活動させる。
あんなに大声を出す凛月を見たのは、何気に初めてじゃないだろうか
また何かあったのかは分からないけど、『王さま』を必死に守ろうとしてるんだって事は分かる。
膝を抱えて蹲った。
「結局……迷惑かけてばっかりじゃん…」
誰に何を言われたって反論出来ない。だって、凛月の言う通り僕は逃げてるだけだから。
レオくんに話したら、今みたいに笑顔を見せてくれなくなりそうで怖いんだ。
思い出さないままなら、僕と話してくれる。笑ってくれる。そう思っていた。
苦しまないまま、悲しまないまま笑って欲しいけど…それももう、我儘に我儘を重ねるだけか…
深いため息を吐いて、ぎゅっと目を閉じた。
司「えっ…A先輩！？」
「わっ！」
司「あ、すみません。大丈夫ですか？どこかお体の加減でも…」
「ううん、大丈夫。何でもない」
突然冷たい手に触れられ、驚いて顔を上げると司が心配そうな面持ちで正面にしゃがんでいた。
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瑠璃烏(プロフ) - 推しが可愛すぎさん» 感動していただけた事に涙ですっ｡ﾟ(ﾟ´ω`ﾟ)ﾟ｡ご期待に添えるよう、頑張ります！ (2019年11月18日 19時) (
レス) id: c14d105dae (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃烏(プロフ) - 如月さん» 閲覧頂きありがとうございます！夏目くんとの関係、エピローグにて書いております(^-^) しばしお待ちを！ (2019年11月18日 19時) (レス) id: c14d105dae (このIDを非表示/違反報告)
如月 - とてもおもしろかったです！自分的には夏目くんとの関係がみたi ��(ﾟoﾟC=(__:次回作も楽しみにしてます！ (2019年11月18日 0時) (レス) id: 9471f73ad6 (このIDを非表示/違反報告)
推しが可愛すぎ(プロフ) - なんか感動と涙しかありませんでした！(あれ同じ？)好きだったので続きとかまだ見たかったですが次回作がんばってください！ (2019年11月18日 0時) (レス) id: b43a5c5bee (このIDを非表示/違反報告)
黒影(プロフ) - 12月にもう1回ですか……頑張ってくださいね (2019年10月30日 17時) (レス) id: 18284fa39e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠璃烏 | 作成日時：2019年10月19日 1時
