戦え舞え舞え藤の花 (ページ41)

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41 柱の雑談ページ41

NOside

___土下座するAと戸惑う冨岡を横目に

「そういえば時透、お前が赤の他人…しかも一度会ったきりの人間を覚えてるとはな。その時もあの派手な面をつけてたとかか」

そう問う宇随に、時透は空を見上げてうーんと唸る。トンビの鳴き声に続いて、そのぼんやりとした声が発せられた。

「藤の香り…」

「藤ぃ？」

「あの子、藤の香りがするから。藤の香りはよく嗅ぐし、そのせいじゃないかな」

「物覚えが良くなるのは良いことだ！」

「そういう煉獄もあの面の奴と知り合いなのか？どーゆうこったあれは」

「ううむ、俺にも分からないが恐らく父があの少女を助けたのだろうな」

少し寂しげに、でも誇らしげな微笑を浮かべた煉獄は、オロオロする冨岡を見て豪快な笑い声を上げた。

ーーーAside

___後日稽古後

「ありがとうございました」

「ゆっくり休め」

「はい、ありがとうございます」

ゆっくりと頭を撫でてくれる師範に笑いかけて、その場を去ろうとした時だった。

「桔梗…？あ、もう一羽いる」

聴き慣れた羽音。慌てているのか、いつもより騒がしい。しかしもう一羽分の羽音も聞こえ、不思議に思ってその方向を見上げるとそれは師範の鴉だった。

とても慌てているようで、何があったのか尋ねても中々要項を聞き出せない。

「桔梗っ、落ち着きなさい！」

一度叱り付けてやると漸く落ち着いたようで、ふぅふぅと息を整えてから告げた。

〈西南西！西南西！多クノ死者アリ！西南西！〉

「し、師範…」

「ああ、行くぞ」

「はい」

多くの死者？まさか善逸や炭治郎が巻き込まれていたりして…

そんな考えは頭の隅へ押しやって、とにかく急いで西南西へと向かった。

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新作ですので、宜しければ。

霞の中で口付けを

時透無一郎くんとの恋愛もの(?)です( ・∇・)