戦え舞え舞え藤の花 (ページ14)

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14 汚いページ14

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雑音が止まない。

人の叫び声、鬼の小競り合い、鬼の首が転がる音に至るまで、全てが聞こえる。

最終日である今日は"よく聞こえる日"だ。

目の前で消えかける鬼の胴をザクザクと刺し続けていると、聞き慣れた足音が耳に届いて振り返った。

「炭治郎！」

「あ……A、何してるの…？」

「何って…鬼を殺してたんだよ？」

「そ、そうだよね。あははは…」

不自然に笑う炭治郎を不思議に思いながらも、後は一緒に行動しようと並んで歩き出した。

着物も袴も返り血ですっかり汚れてしまった。袴は元々の色が小紫なのであまり血は目立たないけれど、藤色の着物は血がはっきりと目立つ。

その血を見ていると胸の奥底の方がザワザワする。

___汚い。

忌々しくなって、血で汚れた袖を引きちぎった。

「A！？何してるんだ！」

「鬼の血が付いた服なんて要らない。汚い…！」

「A…っ」

炭治郎が何かに怯えるように首を振ったその時、鬼の足音が耳に届いて刀を抜いた。

ーーー炭治郎side

『Aの鬼に対する憎悪の大きさは桁外れだ』と、鱗滝さんが言っていた。

今この光景を目の前にしたら、それがどういう意味だか分かる。

Aは、鬼の首が切れ胴体が消えかかっているにも関わらず刀を突き刺し続けていた。

顔を覆う厄除の面全体に返り血を浴びて、刀を握る手も真っ赤に染めて。

恐ろしかった。

見てはいけないものを見た気がして、怖かった。でもAは足音で気付いたのかこちらを振り返って面をずらし……

………笑った。

「炭治郎！」

何事も無かったかの様に、いつも通りの笑顔で名前を呼んだ。その後は必死に繕ったけど、きっと不自然だと思われただろう。

そして今も。

「ギャアアッ！！」

「触るなっ！」

向かって来た鬼の顔に斬りつけ、四肢を斬り落とし、最後に首を跳ねた。

『憎い、憎い、憎い』

そんな匂いだ…

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