戦え舞え舞え藤の花 (ページ26)

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26 毒ページ26

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「はっ…はぁっ……炭治郎っどこ…！？」

さっきから走り回って探しているけれど、全然見つからない。

善逸は大丈夫だろうか？あの鬼に勝てただろうか？

私も早くしないと、毒で動けなくなってしまう…

手足が痺れている気がする。気持ち悪いし髪の毛抜けるし、もう最悪だ。

いやこんな事を考えている時間が惜しい。

「聞け聞け聞け…！」

炭治郎の足音は？刀を打ち合う音は？どこかから絶対に聞こえている筈なんだ。聞け…！

耳に神経を集中させて聞こえてきたのは、雑音にも近い何かの音。私の真下。

それを見た瞬間、いつものように意識が途切れた。

「炭治郎ーーっ！！」

　

息が乱れてる。気持ち悪い。グラグラする。刀が重い…

手足に力が入らなくなってきた……

目の前には、バラバラになった赤い糸。自分の刀にもそれが付いているから、多分私が切ったんだ。

炭治郎、助けられた…？

ホッと息をついた時、体の中から何かが込み上げてくる感覚。加えて誰かが走って来る音を耳に捉える。この音は……お兄ちゃん…冨岡さま？

「ッが……っう"はっ…！」

「A…！？」

「A！？何で血を吐いて…っ鬼にやられたのか！A！？」

地面を這いながら心配してくれる炭治郎を手で制して、冨岡さまに向かって叫ぶ。

「ッ冨岡さまは鬼を斬って！」

「っ…」

グラグラと視界が揺れている。それでも何とか、炭治郎の体を倒れる禰豆子ちゃんの所まで引っ張った。

それと共に目の前に見える光景に、思わず目を見張る。

水の呼吸拾壱ノ型『凪』

拾壱の型…？

そう困惑している間に、鬼の首は落とされていた。