４５: 夢 ページ45
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これは夢なのだと、意識的に理解する。
目の前には海が広がっているけれど、私は水の上に立っている。それなのに、いくら歩いても足に伝わってくるのは床のような硬い感触。
遠くから、声が聞こえた。
高いけれど心地よく響く、美しい歌声。私はこの声を知っている。何度も隣で聞いてきた声だ。
向こう岸も見えない海原を、その声が聞こえる方へと駆け出した。当てのない旅みたいで、ほんの少しだけワクワクする。
走りながらも色々な声を聞いた。女の子を口説く声、おじいちゃんの様な喋り方をする声、ふわふわしてたり語尾が変だったり、騒がしかったり。
どこで聞いたのかは思い出せないのに、ただ漠然と『知っている』ことだけは分かる。
「あっ……ロザリオがない…」
いつもなら走るたびに揺れるロザリオ(十字架)が、首に掛かっていなかった。
どうしようかと思って立ち止まる。
「海の中だったら見つからないよね…」
心残りだったけれど、もう仕方がないからと再び駆け出した。
ーーー
姫莉side
病室にお見舞いに来たところでバッタリ鉢合わせしたAちゃんのお友達５人と楽しくお話ししていた。
たまたま視線を投じたAちゃんの表情が、柔らかく笑顔を作る。
姫「え…Aちゃん…？」
夏「どうかしたノ？」
姫「今っ、Aちゃんが笑って…」
皆んなが目を見開き、全員でベッドの側へ駆け寄った。膝をついて、Aちゃんの手をぎゅっと握り顔を覗き込む。
姫「…！Aちゃん！」
零「Aっ」
Aちゃんが、クスリと笑った。
握り返されることのない手を握りしめ、必死で名前を呼び続ける。
ああ神様、私に奇跡なんて起こさなくて良い。
私の１回分の奇跡を、Aちゃんにあげて。
Aちゃんのことを、皆んなが待っているから…
姫「神様っ…！」
涙が一筋、頬を伝った。
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瑠璃烏(プロフ) - 雪羅さん» 確かにその通りですね…(°▽°)すみません！最初にテキトーに入れたものだったので …。烏滸がましいなんてとんでもないです！読んでくださり、ありがとうございました！ (2020年1月2日 17時) (
レス) id: c14d105dae (このIDを非表示/違反報告)
雪羅(プロフ) - なので、キーワードに入れた方がいいのではないか？と思いました。おこがましくてすみません……一個人の意見ですので、重く受け止めないでくださると嬉しいです……これからも頑張ってください、応援しています！ (2020年1月2日 17時) (レス) id: 227c03626a (このIDを非表示/違反報告)
雪羅(プロフ) - 完結おめでとうございます！面白かったです。ただ少し気になったことがありました……キーワードに「五奇人」とある為五奇人の誰かと結ばれる、又は誰ともくっつかず終わるのかと思ったら別の人と結ばれたので少し驚いてしまいました。 (2020年1月2日 17時) (レス) id: 227c03626a (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃烏(プロフ) - まちさん» そう言って頂けて嬉しい限りです！閲覧いただき、ありがとうございました！ (2020年1月1日 20時) (レス) id: c14d105dae (このIDを非表示/違反報告)
まち(プロフ) - 完結おめでとうございます！ほんっっとに素敵な作品でした！ありがとうございました！！ (2020年1月1日 19時) (レス) id: 192f3e4252 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑠璃烏 | 作成日時：2019年9月20日 21時
