ちゃんとかわいいよ【川西拓実】 (ページ9)

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ちゃんとかわいいよページ9

『あーもう、どうしよう。』

トイレの鏡の前で、最悪すぎる自分の顔色と、これからどうしようかと。

色々なことを考えた。

けれど、考えれば考えるほど頭はぐちゃぐちゃになっていって。

『さっき、言い過ぎたな。』

私が優斗に対して投げかけた言葉。

それは、あまり良いと言えるものではなかった。

むしろ、彼を傷つけてしまっただろう。

『はぁ、もう、みんなに合わせる顔が…』

考えてたって仕方ない。

いずれ戻らなきゃ行けないんだ。覚悟を、決めよう。

そう思い、さっき川西さんに取り返してもらった眼鏡をかけようと手に取る。

『あれ、』

何故かゆるゆるになっている眼鏡を凝視する。

ネジが、取れているみたいだった。

優斗が勢いよく外した時、確かに変な風になってた。記憶がある。

私の、マストアイテムが…。

“不細工だ” と罵り続けられたその顔面を、人様に晒さなければいけない？

そんなの、耐えられない。

このままではだめだ。いったん、何か飲んで、心を落ち着けよう。

同じ部署の子、ごめんなさい。

嫌な仕事だけ、残してっちゃって。