( 実ｼ兄者 / 酉己ｲ言者 ) 悪戯心は増幅する .

ﾘｸｴｽﾄ：抱き付かれた話 / rd / あざむぅー様より ページ18

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　夜道を倒れる勢いで歩いて、ふらふらと家の扉に凭れる。
　震える手で、鞄から鍵を取り出して、開ける。

　靴を脱ぎ捨てて、リビングのソファに倒れ込む。

　
　溜め息と共に、


　『疲れた……』

　なんて言葉を吐き出した。

　こんな夜に、一人で倒れそうに帰ってくるなんて、独り身だと思う人も居そうな物だが、実際私は” 婚約 ” している。
　婚約相手が別の部屋から、気だるげに出てきた。
　暖かそうな格好して、良いな。私はまだ、外の冷気が体にまとわりついてるよ。

　「…今日も残業？」

　婚約相手は、実況者のらっだぁ。

　『そうだけど。…そちらは？配信してた？なら、騒がしくして御免ね。』

　「別に、編集だから大丈夫。」

　労いの言葉も掛けて貰えないのかぁ、と心の中で悲しみつつも、表情には出さず自分の部屋に戻る。
　

　…いつだっけ、婚約したの。
　もうそろそろ一年経つような気もするけど、何れにせよ結婚の話は出てこない。

　本当に、愛されてるのかな、なんて馬鹿みたいに不安になる。

　暖かい格好に着替えて、リビングに戻ると。

　

　『ちょっと、退いてくれない?』

　ソファに寝転がられると困るので、退いて貰えるように言うと、不服そうにだけど、退いてくれた。
　空いたスペースに座ると、彼が隣で、「今日って何曜日？」と訊いてきた。

　スマホを確認すると、…水曜日。

　『水曜日。…あ、日付変わったから木曜日。』

　「木曜日かー…よし。」

　少し考えてから、いきなり立って私を見つめるものだから、ちょっと吃驚する。

　『…な、なに…』

　突然、ぎゅっと抱擁される。

　『……は？』

　呆然とする私を前に、彼は明るい笑顔で。

　「婚約だか交際だかの時に決めたじゃん、木曜日はハグの日って。」

　…え？そうだっけ。

　『ハグの日は金曜日じゃなかった？日頃の働きを労って、って決めたし。』

　
　「…んー、じゃあ。毎日ハグの日だ！」

　いやいや、なんて笑って私はツッコミを入れる。

　
　…ハグの日なんて何曜日でも良い。


　何より、私が嬉しいのは、彼との距離感が少し縮まった気がすることだ。


　＿＿＿＿


　久しぶりの更新 〜〜 。
　
　あざむぅー様、リクエスト有難う御座いました！！内容ずれましたけど、内容の中身はハグしてるから良いですよね… ( )


　と、更新再開では有りません故ご理解下さい…。

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