到着 ページ9
・
「お、送迎バス来たぜ。」
若武にそう言われ、皆がそれに乗り込む。
「白浜海岸とか、綺麗そーじゃね?」
「他にも色んな海があるみたいだね」
「海海うっせー。今は夏じゃねえぞ」
「上杉、泳ぐのが嫌なら一緒に貝拾いしない?」
「嫌だもう俺帰りたい・・・」
皆がワイワイ盛り上がっている中、私はさっきのショックから、まだ立ち直れないでいたんだ。
しょんぼりしてると、隣に座っている翼が私の顔を覗き込む。
「アーヤ、さっきの写真のこと気にしてる?」
気にしてるよ!
私は頷いた。
「そんな気にすることじゃないと思うよ。七鬼もそう言ってたし。」
ん・・・そうだよね。
「それよりさ、これから1週間kzの皆と過ごすんだって考えるとワクワクしてこない?」
するっ!
「勿論。すっごく楽しみだよ。」
翼はクスッと笑う。
「俺も。楽しみで昨日、寝れなかった。」
翼でも、そんなことあるんだね。
「とにかくさ、あれこれ考えないで、全力で楽しもうよ。」
そこで、私は気付いたんだ。
きっと私を励まそうとしてくれてるんだ。
どこまで良い子なんだろう。
私は翼の期待に答えるように、ニッコリ笑って言った。
「うん、思いっきり楽しむ!」
翼の表情が緩む。
「良かった。アーヤが楽しんでると、俺も嬉しいよ。」
ん、私達心の友だもんね。
私は微笑んで翼を見つめた。
ありがとう、って意味も込めて。
翼もどういたしまして、というように見つめ返す。
「おいアーヤ、美門なに見つめ合ってるんだっ!」
うっ!
とにかく、あの写真のことは、早く忘れようっと。
「若武、落ち着けって。外見てみろよ。海。」
黒木君の一言で、皆一斉に窓に飛び付く。
わあ、海だ!綺麗。
だんだん景色に民家やお店が増えてきた。
窓に張り付きながら、あのホテルかな。あのホテルかな。など想像していると、ついにバスが止まった。
「お、着いたみたいだ。」
ここかぁ。
ホテルの外観はとても綺麗だった。
私は荷物を受け取り、バスから降りる。
それにしても、荷物重いな。
そういえばと思い、皆の持っているバックを見てみるが、私のリュックよりもサイズが一回り小さかった。
だけど小塚君のリュックはとても大きかったんだ。
きっと、試薬とか持ってきてるんだろうな。
なんて考えながら、ロビーまでゾロゾロと歩く。
「じゃ、俺チェックイン済ましてくるからテキトーに待ってて。」
ん、了解。
私はそのホテルを探索することにした。
92人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「探偵チームKZ事件ノート」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ふわふわ - 新しい作品楽しみにしてます!^_^ (2020年5月14日 16時) (レス) id: 25ce3e61b4 (このIDを非表示/違反報告)
みーみ - この話完結してなくないですよ。 (2020年4月18日 15時) (レス) id: d089e3229f (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ - 続きをお願いします (2020年4月8日 16時) (レス) id: c350fd39bf (このIDを非表示/違反報告)
ツキ - 訂正してばかりですが、お話面白いので、頑張ってください! (2020年4月1日 10時) (レス) id: ec2bb43d30 (このIDを非表示/違反報告)
ツキ - 29ページの『ごめんな。』で、「息がかかりほうなほどに、」とありますが、「息がかかりそうなほどに、」ではないでしょうか (2020年4月1日 10時) (レス) id: ec2bb43d30 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:こむぎ。 | 作成日時:2019年1月2日 14時