伊豆急下田駅 ページ6
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そんなこんなで、私達を乗せた車は駅に着いた。
そこから新幹線で伊豆急下田駅に到着した。
うーん、やっと着いた!
私は外に出て、めいいっぱい背伸びをした。
あのあと、若武と上杉君は喧嘩ばっかりしてたけど無事、駅に着くことが出来たんだ。
ぐるっと駅の周りを見渡すと、ノスタルジックな雰囲気の時計台が目に入ったんだ。
わあ、凄く大きい。
そのすぐ側には、お土産・民芸品と書かれたお店があった。
帰りは、ママと奈子とお兄ちゃんとお父さんにお土産も買っていこう。
「アーヤ、なんだか楽しそうだね。」
駅で飲み物を買っていた翼が、後ろからひょこっと顔を出した。
「うん。この駅、素敵だね。」
私がそう言うと、翼がニッコリ笑った。
「黒船来航とともに下田は近代日本の夜明けの舞台となったんだ。
開国の歴史にまつわる旧跡、名所のほか、楽しい観光スポットもあるんだって。
ほら、あっちにロープウェイが見えるでしょ?
下田市街、下田港、そして伊豆七島が見渡せる絶景ポイントなんだって。」
私は思わず両手を叩いて拍手。
「詳しいんだね、凄いっ!」
翼はちょっと照れながら、はにかんだ。
「折角来たんだし、いっぱい調べとこうと思って。」
いつでも思うけど、偉いね翼って。
その時、後ろからゾロゾロと皆が出てきた。
私は、ふと違和感に気付いた。
「あれ、浮き輪は?」
そう聞くと、上杉君は「ん」と言って自分のリュックを指さした。
あ、上杉君に没収されたんだ・・・。
でもどうせなら新幹線に乗る前に没収しとけば良かったかも。
「上杉の奴、許さん。俺が頑張って膨らませた浮き輪をっ!ちくしょう。」
若武はズボンのポケットに手を突っ込み、小石を蹴る。
すかさず上杉君がアカンベエをする。
あーあ、どっちが子供なんだか・・・。
すると、小塚君が何かを見つけたらしくビュンと走って行った。
はて、何を見つけたんだろ。
私が小塚君についていくと、そこには黒い船の模型があった。
わ、凄い。
私に気付いた小塚君が、振り返る。
「ああ、アーヤ。この模型の船はね、黒船のサスケハナ号って言って、ペリー提督率いる黒船艦隊の中でも一番大きな黒船だったらしいんだって。
黒船は下田の歴史を語る上で重要なキーワードになっているんだ。折角だから、記念写真でも撮る?」
撮りたいっ!私はぶんぶん頷いた。
小塚君は笑いながら、ちょっと待っててね、と言って皆を呼びに行った。
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ふわふわ - 新しい作品楽しみにしてます!^_^ (2020年5月14日 16時) (レス) id: 25ce3e61b4 (このIDを非表示/違反報告)
みーみ - この話完結してなくないですよ。 (2020年4月18日 15時) (レス) id: d089e3229f (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ - 続きをお願いします (2020年4月8日 16時) (レス) id: c350fd39bf (このIDを非表示/違反報告)
ツキ - 訂正してばかりですが、お話面白いので、頑張ってください! (2020年4月1日 10時) (レス) id: ec2bb43d30 (このIDを非表示/違反報告)
ツキ - 29ページの『ごめんな。』で、「息がかかりほうなほどに、」とありますが、「息がかかりそうなほどに、」ではないでしょうか (2020年4月1日 10時) (レス) id: ec2bb43d30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こむぎ。 | 作成日時:2019年1月2日 14時