誘拐? ページ27
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私は荷物を抱えて、彼の後をついて行く。
ずっと浜辺を歩いて居たのに、いつの間にか舗装された道路に出る。
ビュウッと吹く風に、髪の毛が乱れる。
すっと髪に手をやり、菜の花のヘアピンが無いことに気付く。
あ、レジャーシートの所に置いてきちゃったのかな。
後で取りに行けばいいよね。
人の数は減っていき、道路には路駐されている車以外何も無かった。
はて、この人どこに行くんだろ。
私裸足だし。
私は、どんどん前を進んでいく黒いコートを眺めながら、声を掛けようとした瞬間っ!
グイッと体が引っ張られ黒いコートの彼に、口を抑えられた。
私は慌てて大声を出そうとするが、口を塞がれているため声が出ない。
「大人しくしろ。」
先程聞いた声とは全くトーンの違う声に、私は少しだけ怯む。
瞳にもキツイ光が瞬いており、さっきとはまるで別人になったような感じがした。
私は、抵抗する為に体を思い切りじたばたさせるが抑えられる力が強く、とても抗えない。
この人・・・もしかして悪い人!?
そこで私は自分の置かれた状況に気付いたんだ。
ああ、なんでついて来ちゃったんだろうって。
私は自責の念に押しつぶされそうになりながらも必死にもがいて抵抗する。
助けて!!
そう叫びたいのに声が出ず、私はそのまま路駐されてあった車に乗せられ、何やら薬のようなものを飲まされた。
なに、これ。
私はむせ返りながら、彼をキッと睨む。
バタン、とドアを閉めると彼は運転席に乗り込み、エンジンをかける。
ああきっと私どっか連れて行かれちゃうんだ・・・。
KZ皆の顔を思い出す。
皆に会いたい。
どうか、助けに来て。
その瞬間、私は猛烈な眠気に襲われたんだ________
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ふわふわ - 新しい作品楽しみにしてます!^_^ (2020年5月14日 16時) (レス) id: 25ce3e61b4 (このIDを非表示/違反報告)
みーみ - この話完結してなくないですよ。 (2020年4月18日 15時) (レス) id: d089e3229f (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ - 続きをお願いします (2020年4月8日 16時) (レス) id: c350fd39bf (このIDを非表示/違反報告)
ツキ - 訂正してばかりですが、お話面白いので、頑張ってください! (2020年4月1日 10時) (レス) id: ec2bb43d30 (このIDを非表示/違反報告)
ツキ - 29ページの『ごめんな。』で、「息がかかりほうなほどに、」とありますが、「息がかかりそうなほどに、」ではないでしょうか (2020年4月1日 10時) (レス) id: ec2bb43d30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こむぎ。 | 作成日時:2019年1月2日 14時