神様 ページ21
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そのとき私の目には、翼が神様に見えたんだ・・・。
安心のあまり泣きそうになり、慌てて涙を引っ込めた。
「部屋、戻らないの?」
翼はコーヒー牛乳を片手に、首からタオルをぶら下げ髪の毛からは雫が滴り落ちていた。
湯上りのせいか、綺麗な白い頬は、うっすらピンク色に染まっている。
そして、翼もホテルの浴衣を着ていたんだ。
とても似合っていた。
私は、全部話そうかと思ったけど、言葉にすると余計怖くなってしまいそうで、辞めた。
「ん、今戻る。」
私は平気なフリをして立ち上がり、翼と一緒にエレベーターに乗り込む。
「アーヤ、元気な___」
エレベーターの中で翼はそう言いかけて言葉を飲み込み、私の方を見て硬直。
はて、どうしたんだろ。
「浴衣、乱れてる・・・。」
わっ!
急いで走って来たせいからか、浴衣が乱れていた。
私は急いで綺麗に整える。
それから沈黙が続き、エレベーターは私達の部屋の階で止まる。
不気味な雰囲気は直らないけど、翼と一緒なら安心だった。
私はそのまま廊下を進み、問題の私の部屋の前で立ち止まった。
翼は隣の部屋へ。
私は唾をごくりと飲み込み、鍵を回しドアを開く。
今度こそ、嫌な空気が消えてますようにっ!!
私は目をぎゅっと瞑り、願いを込めながら部屋に入る。
・・・ほっ。
嫌な空気は感じられなかった。
やっぱり、私の思い過ごしかな。
だけど、露天風呂で見た青白い顔は幻覚じゃないと思う。
あの女の子はなんだったの!?
なんで私の前に?
疑問が浮かび上がってくる。
そして私は、ここに着いた時の事を思い出した。
もしかして・・・心霊写真の女の子?
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ふわふわ - 新しい作品楽しみにしてます!^_^ (2020年5月14日 16時) (レス) id: 25ce3e61b4 (このIDを非表示/違反報告)
みーみ - この話完結してなくないですよ。 (2020年4月18日 15時) (レス) id: d089e3229f (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ - 続きをお願いします (2020年4月8日 16時) (レス) id: c350fd39bf (このIDを非表示/違反報告)
ツキ - 訂正してばかりですが、お話面白いので、頑張ってください! (2020年4月1日 10時) (レス) id: ec2bb43d30 (このIDを非表示/違反報告)
ツキ - 29ページの『ごめんな。』で、「息がかかりほうなほどに、」とありますが、「息がかかりそうなほどに、」ではないでしょうか (2020年4月1日 10時) (レス) id: ec2bb43d30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こむぎ。 | 作成日時:2019年1月2日 14時