お粥 ページ32
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「……ごめんね」
ボソッと謝ると、彼はわたしをジト目で見てから再度溜息をついた。
わたしが何か、勘違いでもしたのだろう。
「Aが無事に殺されて、無事に連れてこれたのはまだ良いんだけどな……安室さん、って人が黙っちゃいないと思うぜ?
GPS調べて来そうだったから、スマホはすぐに初期化しておいた。
……ちなみに俺あの人苦手」
あぁ。確かにそれはしょうがないね。
だって宮野志保に変装して、ミステリートレインで……おっと。話がずれた。
快斗くんにこれからのことを相談しなければいけない。
わたしの考えを読み取ったかのように、彼はこんなことを言った。
「お前はここで生活するしか無いな」
「……なんで?」
「家は燃えて無くなって、生活費も足りねぇだろ」
「あ」
「あと存在がバレたらいけないんだろ」
目を伏せて頷くと、快斗くんは「これからどうするんだよー」と言った。
「外には出たくない、かな」
「……出たくなったら俺が変装させてあげるぜ」
「ありがと。これからお世話になります」
「おー」
そう言って彼はわたしの頭を撫でた。泣いている妹をあやすように、優しく。
少しすると快斗くんはわたしから離れた。
温もりが消えたので、身体がぶるりと震える。
「でさ、夜ご飯どうする?」
「食欲ない」
「……お粥だけでも食べろよ」
「えー」
そんなんだとお前本当に死んじゃうぞ、と快斗くんが言うので渋々と頷いた。
「寺井ちゃんの作るお粥は美味いんだぞ?ちゃんと食べなきゃお嫁に行けねーよ」
「……うん。分かった」
彼が気遣ってくれているのが分かってしまう。そんな自分が嫌だった。
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たんぽぽ珈琲(プロフ) - わーんいつのまにか30万hit超えてたー。嬉しいです。ありがとうございます。これからも名探偵コナンの夢小説盛り上げていきましょー! (2020年12月14日 22時) (レス) id: bfc4d62160 (このIDを非表示/違反報告)
たんぽぽ珈琲(プロフ) - 明里香さん» 誤字の指摘、ありがとうございます。お恥ずかしい限りです……。明日までには直しますね。 (2018年11月18日 19時) (レス) id: 24c9be7e32 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - タイトルの掛け、「賭け」ではないですか? (2018年11月17日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 特製ミルクティーの話、誤字がありました。「こんな事始めて」ではなく、「こんな事初めて」です。 (2018年11月17日 23時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
たんぽぽ珈琲(プロフ) - 星を見守る砂岩さん» きゃー!そう言って頂けて嬉しいです!!更新頑張ります! (2018年10月13日 22時) (レス) id: 24c9be7e32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たんぽぽ珈琲 | 作成日時:2018年8月23日 3時