ケモノ阿吽のいる暮らし。2冊目

寂しがり。CASE2 ページ8

山形side


部活後のプチ勉強会(マンツーマン)に

付き合ってもらったら思いの外時間を食い寮が

閉まるのに間に合わないと踏んだのでAんちに

泊まることに。ちなみに現在午後9時半。頑張った。


『ハジメ達怒ってるだろーなー』


「ほんとすまん」


『いいのいいの』


他愛ない話をしながら夜の道を歩く。

ちゃんと車道側歩く俺偉いでしょ。


「お、ついたついた」


『ただい「み“っ！」


「はっ！？」


『うわっ』


玄関を開ければいっせーがAの顔に体当たり。

反動で倒れたAを支えて安否を確認。


「大丈夫か？」


『ノー問題…ではないかも。助けてー』


いっせーがAの目元を覆うように

しがみついている。


「おう…とりあえず中入るか」


『見えない』


「手ぇ貸せ」


Aの腕を掴みとりあえずリビングへ。


「おらいっせ離れろー」


いっせーを揺さぶってみるが中々離れない。


「どーする…？」


『煮干しで連れない？』


「どこだっけ」


『コンロの向かいの棚』


「おー、…あったあった」


煮干しだぞー、と釣ってみる。


「…」(￣^￣)


「離れねーな」


『離れないね』


どうしよう、と唸っていると向こうで

トオルがハジメに尻尾を噛まれて泣いている

(ように見える)のが見えた。



…ダメ元でやってみるか



「おらっ」


「！？」( ﾟдﾟ))


やりぃ。離れおった。


「っしゃ」


『ありがと』


翌日、いっせーは俺と目を合わせてくれなかった。

家でようとしたらかかと噛まれた。

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